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サクラはナズマにこれ以上何を言っても無駄だと思った。
「……恩知らずのクズが」
「……なんだと」
怒りを含んだナズマの低い声が洞窟の中でこだました。ナズマはサクラの方を振り向き、鋭い目つきでサクラを見つめた。そしてサクラも負けじと彼を睨み返す。
「捕らえている子供達を解放しなさい」
「お前も捕まってるっていうのによくそんな事が言えるな」
お前なんかに何が出来る、とナズマが鼻で笑った。
「もうすぐ仲間がここへ来るわ。そうしたら貴方達に勝ち目はない」
「それはどうかな。お前の仲間が返り討ちになる…ってことも考えられるじゃねえか」
ナズマはニタリと嫌な笑みを浮かべ、腰の剣を引き抜いた。
「まずはお前からだ。売っ払ってやろうかと思ったが…やめだ」
ナズマは刀を一振し、鋭い刃はヒュンと空を切る。
「お前は殺す」
「……っ」
サクラは手に力を込めようとしたが、痺れのせいでまだうまく動かすことができない。
___クソ、こんな鎖、普段だったら簡単に解けるのに…!
ナズマはゆっくりと刀は振り上げた。
「…フン、あばよ」
___殺されるっ!!
もうダメだとサクラはギュッと眼を瞑った。
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いずな - オビトェ… (2018年11月30日 23時) (レス) id: f5ee51c946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘ゆら | 作成日時:2018年11月29日 2時