「元の世界」 ページ6
「じゃあAちゃん、また明日ねー!」
そう言ってぶんぶんと腕を振って消えていったインクさん。
俺男だけど。
なんか不思議な人だったな。
時間は経ってもう夜。
みんなが言うには"おやすみ"の時間らしい。
おやすみってなんだろう。
俺には関係ないか。
「ほらA、ホラーと部屋に行きな。」
そう言うナイトメア。
「よーし、行くよAちゃん!」
だから男だけど。まぁいいや。
俺の部屋、ホラーさんの隣なんだな。
覚えとこう。
「じゃあ、"おやすみ"。」
こくこくと頷くとホラーさんはぱぁっと顔が明るくなった。
そしてニコニコと部屋へ入っていった。
俺も、部屋行くか。
俺はベッドに座っている。
いつもの癖で、寝れないんだ。
あの世界にいたとき、目を閉じたら世界が消えてしまいそうで。
また真っ白になってしまいそうで。
気がついたら遠いところに黒いがらくたが散乱してたけど、元々はちゃんとした世界だったのかな？
もうわからない。
自分がどんな役目の存在なのかも、
分かんないんだ。
自分以外にも人がいたのかな？
もっと賑やかだったのかな？
あの雪は…なんだったのだろう？
なんであの色なんだろう？
どうして…俺がいた世界は…。
あんなにも無惨だったの？
どうして…
あんなにも辛い空間だったの？
どうして…
どうして…？
なんで？
訳がわからない。
自分の世界なのに
なんで
わからないんだ？
…もういいや、この事は考えたくない。
ぼすっとベッドに倒れこむ。
ガチャッとドアが開いて。
「…まだ起きてたんですか。」
あ、クロスさん。とマーダーさん。
「お前、寝ないと駄目だろ。ちゃんと寝ろ。」
ぶんぶんと首を振る。
「そっくりですね、Aさんとマーダー先輩」
「あぁ…」
マーダーさんも寝れないのかな。
「ちゃんと寝てくださいよ？」
「クロスにとっては後輩だし、敬語無しでいいだろ」
「えぇ？でも…」
「…(圧)」
「頑張って敬語無しで話します…。」
「…寝ろよ。」
そう言って、クロスさんを連れて行ってしまった。
…俺が、
自分を思い出すのには、どうすればいいか。
元の世界に戻ってみよう、と思ってしまった。
何故か、戻ることは出来るという自信はある。
なんで
あの空間に戻ろうとしているのかな？
俺は…
誰？
なんで思い出せない？
一体、何者なんだ？
「非日常」→←今さらすぎる夢主設定(タイトル考えるの難しい)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜尓_x_x_ | 作成日時：2022年8月8日 9時
