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一つ上の先輩。 ページ1
野球部キャプテン。正捕手。
青道高校２年B組。メガネ。サッカーが苦手。
それが私の知っている、御幸一也という男の特徴である。
｢好き。｣
誰もいなくなった教室で、野球部専用グランドで叫んでいる男の人目がけて、呟く。
１年早く生まれた好きな人に、私はいつかこの二文字を送ることが出来るんだろうか。
｢(告白……でも向こうからすれば初対面の人にいきなり告白されてOKって出るかな普通。)｣
好き、好き、好き。
音にはせず口元でぱくぱく動かしていると唇がくっくいてきたから、お茶を少しだけのんで椅子から立ち上がる。
1人だと簡単に伝えられそうなんだけどなぁ、とドアをいつもより強めに閉めた。
きっと今日も、伝えられない。
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作者名：虹海 | 作成日時：2017年2月12日 14時
