倉持君は、いいヤツ (ページ3)

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教室の一番後ろの席から、3人の様子を眺めていた。

クラスのみんなも気づいてると思うけど、多分御幸君と七瀬さんって両思いだよね。

倉持君も気付いてる。

でも、倉持君もきっと、七瀬さんのこと・・・。

「み、御幸先輩、ちょっといいですか・・・？」

御幸君は1年生の女子に呼び出されて教室を出て行った。

倉持「お前さー、御幸のこと好きだろ」

七瀬「えっ！？すっ、すっ、好き！？」

倉持「見てりゃわかるんだよ。認めろよ。俺は誰にも言わねー。ていうかお前以外の周りのみんなは気付いてるんだよ」

七瀬「ま、まじ・・・？」

倉持「まあ、俺は応援するからな」

倉持君の表情はちょっとだけ悲しそうだった。

今日の体育はバレーボールだ。

男子は隣でバスケットボールをしている。

野球部は大会前で突き指とか怪我したら困るから試合には不参加だ。

「松本さん！ボール！」

A「えっ」

男子のほうを眺めていたせいで、自分が試合していることをすっかり忘れていた。

目線を前に移すと、目の前にボールが飛んできていて、

ボコッ！ッという音とともに顔面に痛みが走り私は後ろに倒れこんだ。

意識がもうろうとして、最後に見えたのは倉持君のような気がした・・・。