黒薔薇の教祖様Ⅱ (ページ3)

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23話ページ3

3年、始業式。
朝春の隣にはすこぶる機嫌の悪そうなユウリがたっていた。

朝「ユウリ様、何かございましたか？お話聞きますよ。1万円からで」
ユウ「金とんのかよ……しかも地味に高ぇな。」

仕方ない。ユニットのよしみです。とおにぎりの奢りで手を打った。

ユウ「いや、なんだ。お前さ、誰かを陥れるようなことしてねぇよな？」
朝「するように見えます？心外ですねぇ」

とリボン型に結んだネクタイを弄る。

ユウリ曰く、最近朝春に関する噂が流れているらしい。
お布施を受け取ったり、法に反するようなこと、違法な薬などを配っている。という根も葉もない噂だ。

ユウ「一年坊はほとんどのやつが信じてる。てな訳で、名誉挽回ライブをするぞ！」
朝「名誉挽回ライブ……ですか。それにしても声デカいですね。」

怒られますよ。といい先生たちの方に1例をする。

ユウ「とにかく、てめぇの名誉挽回をしねぇと俺たちは活動を続けられねぇ、そうだろ？教祖。」
朝「言えてますね。」
ユウ「2週間後、既存曲と新曲2つの構成でやるぞ。」

わぁ、一方的。といいつつメモ用紙に歌詞の案を書き出して行く。

ユウ「……せんせー様の話は聞かないのか？」
朝「宗様の言葉を借りるようですが……あのような俗物の話を聞くほど私は暇じゃないので。」

とムスッとしながら教師を睨む。
ペラペラとつまらない話を延々続ける教師は朝春を問題児だと決めつけなにかしているのを見れば生徒指導室に引っ掴んで連れていくという横暴っぷりだったため嫌いだった。

元々朝春は懐いている教師と言えば？と聞けば3年の人間は、椚章臣か佐賀美陣の名前を答えるほどに教師との折り合いが悪い。

朝「この後私保健室にいますね。」
ユウ「あぁ、乙姫か」

あのクネクネヤローは僕の手に負えません。とメモ帳を閉じ、佐賀美の方へ歩いてゆく。

大方体調が悪いから保健室に行かせてくれ。と言いに行ったのだろう。

朝「私、今日戻るか分かりませんから。」
ユウ「おう、資料やらなんやらは後で部屋に届けてやるよ。」

と手を振りながら未だに続く教師の話を右から左に流しつつ立ったまま眠りについた。