検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:38,496 hit

久しぶり ページ4

今日の実験は終わり。
だからまた、鍵のかけられた
真っ白なこの空間で過ごす。


ベッド、タンス、クローゼット
テーブル、イス、別の部屋にお風呂とトイレ。


生きることに最低限の物しか
置かれていないこの部屋。
家具は全て黒い。


こんな部屋、自分から住みたいなんて
誰が思うだろうか。
普通の人間なら、狂ってしまうだろう。



この空間には私と
私のパートナーのサーナイトしか
入らないことにはなっている。



私の今の心の頼りは
サーナイトだけなのだ。



『ねぇ、ロサブラ。大丈夫?顔色が悪い……。』



『ありがとう、サーナイト。大丈夫。もう、なれてしまったの。』



私はポケモンと会話が出来る。
ポケモンが何を言っているのかがわかるから。
これは生まれつきなのかなんなのか。よく分からないけれど。
記憶があるころからはもう
この力は私に備えられていた。




『ねぇ、サーナイト。こんな力無かったら、私は今普通に生きるのかしら。』



こんなことを言えるのは
今ではもうこの子だけなんだ。
私には感情を造る価値すらもないのだから。



『ロサブラ……。私は貴方とお話しができて嬉しい。悪いことだけではないと思うけど。』



『そう……そうね。私も、サーナイトととお話しができて、嬉しいわ。ありがとう、サーナイト。貴方は私の誇りよ。』



そう言うとサーナイトは
少し微笑んでくれた。
私のせいで、この子に辛い思いをさせたくないから。



『!ロサブラ、誰か来る。』




と、いきなり顔色を変えて
話しかけるサーナイト。
ここはルザミーネ様くらいしか来ないはず。
その他は実験に出すさわる誰か。



『サーナイト、ボールに戻ってくれる?』



一旦サーナイトをボールに戻す。
それとほぼ同時に部屋の鍵がカチャりと音をたてて
開かれたのがわかった。



そしてノック無しに扉は開く。
開かれたドアの先には
昔とは違い、幼さが無くなった
私の…………お友達の姿が。




「ロサブラ……。」



彼は私の名前を口から漏らす。
とても苦しそうな顔をしながら。



『グラ……ジオ……。』



私が目の前の人の名前を呼ぶのと同時に
彼は私を抱き締めた。
ただ、再会を喜ぶように、柔らかく。



『久しぶりね……グラジオ。』



「あぁ、やっと会えたな。ロサブラ………。」




抱き締めた耳元で
お互いにそう、答えあった。

解放→←言いなり



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:ポケットモンスター , ポケモンUSUM , グラジオ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

流南涙 - 月海。さん» ルザミーネさん推しのお方でしたらすみません!!!きちんと元に戻りますのでっ! (2018年1月3日 11時) (レス) id: 5d4c5d6413 (このIDを非表示/違反報告)
月海。 - おおう。ルザミーネさん悪役か。何があったらあんな中毒みたいにウルトラビーストに執着するんだろ… (2018年1月1日 4時) (レス) id: b2d559d9e7 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙 - 黒猫さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年11月26日 8時) (レス) id: 13e460814b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 更新楽しみに待ってます!ロサブラちゃん頑張ってー! (2017年11月25日 23時) (レス) id: 04cf0d7a4d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:流南涙 | 作成日時:2017年11月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。