解放 ページ5
いつもは会えないはずの人が
今、目の前にいる。
少し、昔に戻ったようで懐かしく感じた。
でも、彼は昔と違う格好をしていた。
「ロサブラ、大丈夫なのか？」
『えぇ、もうなれたから。それにしても何故ここに……。』
「ビッケから鍵を貰った。」
『ビッケ………さんが。』
「あぁ。………ロサブラ。」
グラジオは私を見つめて
できるはずが無いことを口にする。
「自由になりたいか？」
『自由……に？』
「あぁ、ここから逃げるんだ。」
自由なんて、
考えたことが無かった。
もう、期待なんてしてなかったから。
でも、もしもそれが可能なら
『なり……たい。』
少しは、変わりたい。
色の無い真っ白な私にも
選択肢があれば選べるのだから。
何時までも、このままでは。
「ﾌｯ、そうか(ﾆｺ)お前なら、そう言ってくれると思っていた。」
グラジオはそう言って優しく微笑む。
『何時までも、あの人の言いなりなんて、ごめんよ。でも、どうするの？自由になるって言っても……どうしたら……。』
「今日の夜、お前をまた迎えに来る。俺がヌルというポケモンを連れてからだ。鍵はこのまま開けておく。お前も準備をしておけ。」
『夜って！？早すぎるわよ。プランはたてているの？それに、リーリエはどうするの。』
なんだろう、
グラジオはしっかりしてそうで
わりとおおざっぱなのか。
少し心配になってきてしまった。
「大丈夫。ある程度は練ってある。リーリエは……こんなことに巻き込んだら、危ないだろ。だから一緒に行けないんだ。」
『そう……まぁ、そうよね。』
て言うか、私は良いのね。
危ないことに巻き込んでも。
「じゃあ、頼むぞ。必ず俺がお前を自由にしてやる。」
『あ、グラジオｯ』
(ガチャン)
『行っちゃった。随分自分勝手になったのね。』
人は変わるんだ。
ルザミーネ様のようにころっと。
グラジオも、大人になったのだろう。
私が一人、取り残されているようで
心細くなってしまうじゃない。
私の時間は、随分前に止まったまま動いていないから。
人から愛されることや、触れることを、忘れてしまった。
でも、もしかしたら
これで少しは変われるかもしれない。
だからこの夜にかけてみるんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
流南涙 - 月海。さん» ルザミーネさん推しのお方でしたらすみません！！！きちんと元に戻りますのでっ！ (2018年1月3日 11時) (
レス) id: 5d4c5d6413 (このIDを非表示/違反報告)
月海。 - おおう。ルザミーネさん悪役か。何があったらあんな中毒みたいにウルトラビーストに執着するんだろ… (2018年1月1日 4時) (レス) id: b2d559d9e7 (このIDを非表示/違反報告)
流南涙 - 黒猫さん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2017年11月26日 8時) (レス) id: 13e460814b (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 更新楽しみに待ってます！ロサブラちゃん頑張ってー！ (2017年11月25日 23時) (レス) id: 04cf0d7a4d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：流南涙 | 作成日時：2017年11月18日 22時
