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6.5cm ページ8

ここは陽泉高校の裏庭にあるオープンテラス。
いくつかある席のなかで、ある1席だけが異質な雰囲気を醸し出していた。
片方の席では、華の女子高生が優雅な仕草で紅茶を楽しんでいる。
その姿はまるで、中世ヨーロッパの姫君のように見えた。
片やその向かい側の席では高校生に見えないほど身長が高い男の子が机に突っ伏して、というか、ほぼ倒れ込んでいるような体勢で座っていた。
外から見たら異様な光景に見えるだろうが、当人達はごく普通に会話をしていた。
「紫原くん。いつまでそうやっているつもりですか?
こうやって美味しいアールグレイいれたんですから。
クッキーによくあいますよ。
ほら、シャキッとしてください。」
「無理だよ。Aちん…。疲れすぎて、口動かすのでいっぱいいっぱいだよぉ…。」
「本当にしょうがないですね…じゃあ、口そのままあけててください。ほら、あーんって。」
「あー…」
ポイッ、と音がしてあいた口にクッキーが放り込まれたとたん、
「…!!!」
こっ、これは…!
1番最初に濃厚なチョコの味がしたかと思うと、それを包み込むかのように柔らかいバターの香りが広がる。
滑らかな舌触りの生地がゆっくり溶けていくにつれ、それぞれの素材がより複雑に、でも、シンプルに…これは何て言えば良いんだろう…つまり…まとめると…
「……うまい。」
いつの間にか普通に座り、背筋も伸ばしていた紫原が発した言葉はごくシンプルだったが、何よりもの褒め言葉であった。
「でしょ?ww私もとても美味しく感じるよ。…普段より。」
!!…なんでそんなに幸せそうに笑うだよ…オレ…少しだけ…本当に…
「紫原くん?どうしたの、ボーっとして?」
「へ…いや、何でもない…お菓子食べよう。」
「そう?ならいいや。では、食べましょうか。」

ーー 一方その頃 ーー
「おい!何であの2人あんなにイチャイチャしてるんだよ!わしなんか今まで1回もそんな事ないのに…」(泣)
「うるせー、アゴリラ!お前の声がデカすぎて、何話してるか全然聞き取れないじゃないか!」
「福井センパイの声も十分大きいアル。」
「こんな事してていいのかな…?まぁ、アツシとAちゃんの事気になるのは確かなんだけどな…でも…」(ブツブツ)
「お前ら!もっと静かにしろ!彼奴らにばれるぞっ!!」
「「監督!!」」

2人の席の近くの草むらの中でも、異次元の攻防が繰り広げられていた…

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設定タグ:黒子のバスケ , 恋愛 , 空想   
作品ジャンル:アニメ
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nazko(プロフ) - 結構好きです☆更新楽しみにしてますよー☆ (2014年3月7日 19時) (レス) id: c3f79b13bc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:VALGUS | 作成日時:2014年3月5日 20時

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