酒場のマスターはトリッパー

2杯目 ページ3

うん、特にすることなかった。

そして戻ってきて店内を見る。

あっ、

お酒を飲み終わった僕君。

お会計待ってる。

(ごめんなさい)

私は何事もなかったかのようにカウンターに戻る。

「勘定を頼む」

「はい」(ニコッ)

「それで、おいくらか？」

あぁ、そっか。

「うちの支払いはお金じゃないんです」

僕君の右眉毛がぴくっと上に上がる。

「では一体・・・」

「情報です」

「情報？」

「はい」

そう、うちの店では御代は情報の提供。

なんかトリップしたての頃に見つけた紙に書いてあったんだよね。

お願いーーみたいな？

「世間話でも、噂でも、個人情報でも、国家機密でも何でも。
嘘でないなら何でも構いません。
お連れの方がいた場合は、その会話が御代になったりしますね」

「不思議な店だ」

僕君は静かに笑って言った。

「では、自己紹介で如何だろうか？」

「はい」(ニコッ)

まあ知ってますが。。

「僕(やつがれ)の名前は芥川龍之介。
ポートマフィアに属している」

キャーーー知ってるーー(*´∇｀*)‼

「これからもどうぞご贔屓に、芥川さん」

僕君はまた静かに笑って店を後にした。









「僕(やつがれ)の属する所を聞いてあの冷静さ。
なかなか良い店だ」

そう呟き、芥川は路地裏を歩いて行った。

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