酒場のマスターはトリッパー

16杯目 ページ17

店のある路地裏の前に戻ってきました。

どうしよう

(怖くて入れぬ・・・)

今まで大丈夫だったじゃん、そういう問題じゃない。

こういうのは気付いてしまったらダメなんだよ！

(どうしよう・・・ この一週間一人でトイレ行けない)

一人で風呂入れない。

一人で寝れない。

いつも背中の後ろが気になる。

ポンッ

「キャッ‼」

ギャーーーーーー‼‼‼

誰かに肩ポンってされたーーーーー‼‼

バッと後ろを振り向くと

「どうなされた、店主」

・・・・・・・・・

「なんだ・・・ 芥川さんか。。びっくりさせないでくださいよ〜、も〜〜」

そうだそうだー！

「す、すまない？」

何故怒られたか判らないが、ちゃんと謝ってくれる僕君。

「どうしたんですかこんな昼間に？ まだ開店前ですよ？」

質問を質問で返していくスタイル。

「偶々通りかかったのだ。路地裏前に佇む店主を見かけ、いつ入るのか気になり、30分程・・・」

さっ、

「30分⁉」

え、何この人、30分も私が心の中で恐怖と闘ってる姿見てたわけ⁉

それは最早危ない人・・・

いや、元からいろんな意味で危ない人だった←

「何30分もじっと見てるんですか⁉ 気になったらすぐ声掛ければいいじゃないですか！」

「つい・・・」

ついじゃねぇよ、怖いよ。

今度太宰さんに言ってやろ。

「さて、今度は僕の問いかけに答えていただこう」

そうだった

「じ、実は・・・」

私はミスターから聞いたあの噂について話した。

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