今宵､月の館にて｡《星空ブリキハロウィン企画2023 第1弾》 (ページ2)

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森の奥に、1人少女が訪れていた。

彼女の名前はルアン。

森に来た理由はない。ただの興味本位だった。

家族たちに、森に近づいてはいけないと言われてたが、

どうしても少女としての好奇心が抑えられず、

家族の掟を破って森に来てしまった。

まっすぐまっすぐ進むたびに、後ろ側の道が見えなくなる。

前の道は見えるのに、後ろはただの森だらけになっていく。

まるでこの道にしか進んではいけないと誘われているように。

『……………あっ、』

すると、目の前が一気に開け、大きな館が姿を現した。

立派な館だ。築何百年といったところだろう。

頑丈で、火事などが起こった跡はあったものの、

それでもほぼ全く崩れていないようにも見える。

ルアンは、ビクビクしながら中に入る。

ここで夜を過ごし、朝になったら帰ろうと思った。

?｢? あっ、扉が開いた!｣

?｢お客様かね? ようこそ、《月の館》へ｣

金と緑のオッドアイの少年、桃色の髪の少年。

服は、中世の貴族のような服を着ていて、

少しだけ浮世離れしている雰囲気をしてた。

?｢お客様や! おれ、みかっちゅうんや。よろしゅう!｣

?｢僕は宗。ここに来たということは、それなりの人間なのだろうね?｣

ルアンは少しだけ怖いと思ったが、勢いに負けずに自己紹介をする。

『わ、わたしは、ルアン! ルアン•フェガリ!
大昔に貴族だった人の末裔だ!』

名前を言うと、2人は少しだけ目を見開く。

しかし、すぐに元の顔に戻る。