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はち ページ10

*




「ちょ、A。Aってば聞いてるのぉ?」


『泉うるさい、授業中だよ…おやすみ』


「授業中だって言うなら起きなよねぇ!?」




普段真面目な泉が小声とはいえ、授業中に話しかけてくるなんて珍しい。
どうせ次当てられそうとかそんなことだろう。
全くお節介は昔から変わらない。

再び微睡みに身を任せようと起こした上体を再び机に預ける。




とんとん、と背中を叩かれて再度後ろを振り向くと不機嫌に目を細めた泉が紙切れを手渡してくる。

几帳面な泉らしい、ノートの切れ端なんかじゃなくて付箋で。




“羽風となんかあった?”



『はい?』



勢いよく振り返ってしまい、泉に睨まれる。
ちょいちょい、と指先で呼ばれ、顔を寄せる。



「羽風、さっきからあんたのこと見てるけど、あんたたちなんかあった?」


『え、ない、けど?』




そおっと教室の左後ろの角に陣取る薫を見る。




『え、ガン見じゃん』


「でしょ?」




こっちと目線があっても一向に視線をそらさないガン見具合に若干引いてしまうくらいに。



『本当に何も無いし、昨日久しぶりに喋ったくらい。
…しかも二、三言だけ。』




そう、それも部室に入る前のあの小競り合いを会話と呼ぶなら、の話である。




「まあ、なんもないならいいけどさ。
なんかあったらいいなよねぇ」



『はぁい、ありがとママ』



「ママじゃない!」





.






こんな私が気遣わず話せる唯一の友達にも言ってない話、ってね。






*

きゅう→←性別:女



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ちより(プロフ) - 度々過去編のお話が入るのが凄いなって思いました…!!読みいるしすごく違和感のないお話に出会えたのは久しぶりです…!自分のペースで無理せず更新していってください、待ってます! (2020年1月5日 3時) (レス) id: 5d8f01d30c (このIDを非表示/違反報告)
Linon(プロフ) - 泉が可愛すぎてキュンキュンしますううう (2019年12月16日 1時) (レス) id: c9d9ceb5f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆちゃん | 作成日時:2019年11月28日 18時

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