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さん ページ3

*




「ん、じゃあ部活行ってくるね」



『はいはい』




気をつけなね〜と幼馴染の「女の子」に手を振ってからスマホの画面に目を落とす。
Knightsの活動時間までまだ30分もあることを示す時刻。


はぁ、とため息をひとつついて机に突っ伏してみる。
普段彼女がやっていたら姿勢が悪くなると文句のひとつもたれるだろうが、今だけは許して欲しかった。



『好きでもない男に女の子扱いされたい…?』



乙女心は男にはわからないとはよく言ったものだが、自分が仮に女だとしてもわからない感情だと思った。






「あれ、瀬名くんじゃん」





がらら、と立て付けの悪い扉を引いたのは先程まで話題に上がっていた彼だった。

正直、今一番見たくない顔。



『あ〜…羽風薫』


「なぁに、なんでフルネームなわけ?」




意味は特にない。
彼女が名前で呼んでる男なんて珍しい、そう思いながら「かおる」と口に出してみただけである。




「無視とかひどいね〜。
まあ男に無視されてもどうでもいいんだけど」



中身よりキーホルダーの方が重そうなほどキーホルダーがじゃらじゃらついたかばんをひょいと持ち上げ、じゃあ、とこちらを見もせずに手をひらひらさせる彼の行先はまた「女の子」のところなのだろう



ここでだらだらしていても仕方ないし、集合時間より些か早いがKnightsが溜まり場にしているスタジオに向かおうと重い腰をあげる




カバンを背負い、廊下に出ると壁に背を預け、スマホに目を落としたままに話し出す蜂蜜のような金色




「瀬名くんさ、Aに手紙もらってたでしょ」



『…それがなに』



「中身なんだった?もしかして告白?」





声に笑いを含ませているものの、決してこちらを見ようとはしない。




『別に、あんたに関係ないでしょ』




特大の嘘をつきながら、くるりと羽風から背を向け歩き出す。
スタジオは逆方面だがもうどうでもよかった。





そういえば、羽風が名前を呼び捨てにする女子も珍しいんだよね、って





「嫌なこと思いつくよねぇ、俺」





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ちより(プロフ) - 度々過去編のお話が入るのが凄いなって思いました…!!読みいるしすごく違和感のないお話に出会えたのは久しぶりです…!自分のペースで無理せず更新していってください、待ってます! (2020年1月5日 3時) (レス) id: 5d8f01d30c (このIDを非表示/違反報告)
Linon(プロフ) - 泉が可愛すぎてキュンキュンしますううう (2019年12月16日 1時) (レス) id: c9d9ceb5f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆちゃん | 作成日時:2019年11月28日 18時

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