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『ちょっと泉〜？笑ってないで話を聞いて』
｢本人に手紙見られたとか…ひぃ無理だわごめん…ひっ｣
絞り出すように答えてからまた引き笑いを始める。
いつものキメキメな泉とは違っていて、ファンの子が見たら幻滅されそうだ。
同じクラスの薫がいない隙を見計らって泉に相談しているというのに、この男は緊張感とは無縁である。
というか私が引き笑いしてたら
｢ちょっとぉ〜、女の子が引き笑いってどうなわけぇ？｣
って言ってくるくせに！
｢はぁふぅ〜、落ち着いた。待って嘘かもふふっ｣
前言撤回。
幻滅されそう、じゃなくて幻滅されろ。
ひいひい引き笑いする泉の動画、動画サイトかSNSにアップしたら広告費とれるだろうか。
1億回くらい再生されたら何円くらいになるのだろう。
そんなことを考えていたらいつの間にか落ち着いていた泉が私の反応を確かめるようにひらひらと手のひらを顔の前にかざした。
｢で、なんだっけ。羽風に女の子として見られたい？｣
『うん…
というか他の女の子に接するみたいにしてほしい』
｢なに、あんた羽風のこと好きなの？｣
『や、別にそうじゃないんだけどさ…』
別に私は薫のことをそういう目で見ているわけじゃない、｢今｣は。
｢あ、あんずと羽風じゃん｣
泉が窓から身を乗り出して外を見る。
つられて私までそちらを見る。
今年から編入してきた1個年下の可愛い後輩に、今日も薫はご執心らしい。
あんずちゃんの進む方向に回り込むようにして歩いてはあんずちゃんによけられている。
それでもしつこいほどにあんずちゃんの横にぴったりだ。
…まるで｢いつかの彼｣みたい。
｢最近あの二人仲良いよねぇ。羽風、女だったら誰でもいいわけ？…あっ｣
言い終わってから本気の申し訳ない顔でこちらを伺う泉。
その繊細さをさっきも持ってて欲しかった。
『はいはい、どうせ私は薫にとって女じゃないんですよ〜っと』
ねぇ薫、
いつになったら私の事｢普通の女の子｣として扱ってくれるの？
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ちより(プロフ) - 度々過去編のお話が入るのが凄いなって思いました…！！読みいるしすごく違和感のないお話に出会えたのは久しぶりです…！自分のペースで無理せず更新していってください、待ってます！ (2020年1月5日 3時) (
レス) id: 5d8f01d30c (このIDを非表示/違反報告)
Linon(プロフ) - 泉が可愛すぎてキュンキュンしますううう (2019年12月16日 1時) (レス) id: c9d9ceb5f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆちゃん | 作成日時：2019年11月28日 18時
