きゅう ページ11
*
ふぁぁ、と大きいあくびが出る。
こんな間抜けな姿、女の子には見せらんないけど幸い軽音部室にいるのは野郎どもだけだった。
｢なんじゃ薫くん。眠そうじゃの｣
『そぉなの、昨日よく寝れなかったし。久しぶりに授業出たし』
まあ、正直1ミリも授業なんて聞けてないけど。
朔間さんに作ってもらった音源はミュージックプレイヤーに入れてそのまま一度も聴いていない。
作ったのが誰かなんてさすがにわかる。
聴いてしまったら強制的に向き合わせられる気がしてしまった。
｢吸血鬼ヤロ〜、今日はなにすんだよ。
あんずもいね〜しいつもの練習か？｣
｢そうじゃのう、今日はフェスのパート決めでもするかの｣
いつもの軽音部はギターがわんちゃん、朔間さんと双子ちゃんたちは多種多芸だからドラムとかベースとかキーボードとかを交代で担当している。
アドニスくんと俺はボーカルかな、なんてうっすらと考えていた。
そういえば真面目でいつも集合時間のだいぶ前に来ている彼が今日は来ていない。
｢わんこや、たまにはボーカルをやってみんか？｣
｢ああ？別にいいけどよぅ…じゃあギターは吸血鬼ヤロ〜がやんのか？｣
あぁ、彼の後ろ姿にしっぽが見えるようだ。
グルーピー気質は一年前と変わらないらしい。
｢いや、我輩はドラムをやるぞい。ひなたくんはキーボード、ゆうたくんはベースをお願いできるかや？｣
｢はいはーい｣
｢なんでもおまかせあれ！｣
…ん？ギター決まってなくない？
そもそも6人編成のバンドなんてなかなかないし、どこかしらパートが被ることがあってもギターがいないなんてことはない。
アドニスくんがギターができるなんて聞いたことがないし、ましてや俺はギターなんて触ったことも無い。
｢…あぁ言い忘れておったわい。
アドニスくんじゃが、部活の試合だそうでの、今回のイベントは残念ながら欠席じゃ｣
『ま、待って。俺は？俺なにすればいいの？』
｢はあ、薫くんや。ギターがおらんバンドなんてあるかや？｣
“なぁに、ギターに関してはAの嬢ちゃんがプロじゃから安心せいよ”
悪魔と朔間で韻が踏める。
…何ひとつとして面白くないな。
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ちより(プロフ) - 度々過去編のお話が入るのが凄いなって思いました…！！読みいるしすごく違和感のないお話に出会えたのは久しぶりです…！自分のペースで無理せず更新していってください、待ってます！ (2020年1月5日 3時) (
レス) id: 5d8f01d30c (このIDを非表示/違反報告)
Linon(プロフ) - 泉が可愛すぎてキュンキュンしますううう (2019年12月16日 1時) (レス) id: c9d9ceb5f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆちゃん | 作成日時：2019年11月28日 18時
