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辻村の憂鬱6 ページ14

辻「もういいですよ……それより、Aさんはどうやって外出していたんですか?狙撃班からは何の報告もありませんでした。私がここに来たときも、彼女の姿はありませんでした。
どこから入ったんです?」


聞くと綾辻先生はふっと馬鹿にしたような表情を浮かべた。
……え。何ですか。


綾「君にはもう言っただろうが、まだ分からないのか。
人の話も聞かない。それでも政府代理人なのか?
相変わらず観察力がない……」
辻「人を馬鹿にするのもいい加減にしてください、綾辻先生!
話ならちゃんと聞いていました。
どこにもAさんの外出方法なんてなかったです!」


絶対に聞いてない!
断言できる。
ムーっと綾辻先生を睨むと先生は呆れたように口を開いた。


綾「特務課が言ってただろうが、Aは異能力があるかもしれないと。
君は自分でこいつが普通の方法でここに帰って来たのではないと証明したばかりだ。
であれば話の中にあった異能力者という仮説が浮き上がる。
しごく当然の思考だろう」
辻「そんなあ…………………」


どう考えてもそこまでたどり着くのは無理だ。
と言うか、そんなの「もう言った」のうちには入らないですよ。
ただの会話だと言うのに頭脳の違いを思い知らされているようで悲しい。
特一級危険異能者に入る異能だけではなく、綾辻先生が特務課お抱えの探偵である理由。
それが常人離れした推理力なのだ。
真相を暴いた犯人を事故死させる異能。
それが危険なのは綾辻先生がとてつもなく頭がいいから。


辻「それで、Aさんの異能力とは一体?」
綾「少しは自分で考えてみるといい。異能の系統なら辻村君でも分かるくらいのヒントは出ているからな」


さっさと教えてくれたっていいのに、本当に意地悪な人だ。
考えてみよう。
じっと部屋を見渡し、Aさんが持ち帰ってきた買い物袋の中を見る。
入っているのはどこにでもありそうなものばかり。
セールのシールが貼られている牛肉があった。
次のに玄関の外を見る。
土が落ちてたりしないか見たけどチリ一つない。
最後にAさんの服を見た。
白いシャツをアレンジしているのか、胸元より少し上で切り替えが入っている。
長袖で、ワンピの丈は膝が隠れるほど。
側を通ると少しひんやりしていた。
外は暖かいのに。


首をひねり、考える。


うーん…………………。
だめだ全然分からない。
私が悩んでる間にもAさんは買ってきた食材を冷蔵庫に詰めたりして働いている。

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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね! (2019年8月17日 21時) (レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……オーマイガァー (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今15です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです!!私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年1月23日 16時

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