辻村の憂鬱5 ページ13
辻「綾辻先生の意思を聞いてるんじゃないんです。Aさんの意思を聞いてるんです」
綾「所有者は俺なのだから俺の意思がこいつの意思だ」
悪びれた様子もなくさらりと言ってのける綾辻先生に頭を抱えた。
本当に先生に人の心はあるのだろうか………。
ラチがあかないのでAさんに聞く。
辻「嫌じゃないんですか?命令されて、人形みたいな所有物扱いされて」
私だったら絶対に嫌だ。
Aさんは聞かれた意味がわからないというようにゆっくり瞬きをした。
その動きはスローモーションで感情がこもっていない。
綾辻先生が口を開いた。
綾「自分で言え」
Aさんはこくりと頷いた。
A「………人形」
辻「はい?」
A「これでいい」
ガラス玉のような瞳がまぶたから見え隠れする。
不自然なほどゆっくりの呼吸の隙間に挟みこむように喋っているため口調は平淡だ。
これでいい、とAさんは言った。
これでいいとは、綾辻先生のところに居たいってことだろうか。
これでいい、と呟いた声はどこか満足そうだった。
Aさんはこれでも200人以上をその手で殺してしまっているのだ。
自分の家族も含めて。
−−−−−その罪悪感は計り知れない。
どれだけの苦痛の先で、自分で考えて行動する“人間”を捨てたのか。
人形の方がマシだと思ってしまうほど。
この人には、人に対する気遣いは不要なのかもしれない。
だって人間ではないのだから。
綾辻先生のお人形。
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乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» 同い年ですね! (2019年8月17日 21時) (レス) id: a46352e6e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 乾 巽さん» 同い年……オーマイガァー (2019年8月17日 20時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 赤珠さん» ありがとうございます、そんなこと言われたの初めてです。因みに年は今15です (2019年8月17日 11時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠 - 文才力の塊……。その文才わけてください← この小説とても面白くて大好きです!!私も作者様と年変わらないと思うので……羨ましいです……。 (2019年8月17日 11時) (レス) id: 8dc3cc174c (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - ありがとうございます、頑張りますね (2019年8月10日 10時) (レス) id: c1b6b5f4c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年1月23日 16時