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第234話:条件 ページ44

「…からかわないでください。

いえ、ここで相手の要求を呑んで別れるべきだとは思っていません。脅しに屈したと思われれば更に要求がエスカレートする可能性もありますから。


ボクはやっぱり、この依頼者をなるべく早く捕まえることが一番だと思います。

さっきも言ったように、ボクたちと同世代、中学生くらいの歳で眞鍋朝人を使える力を持つ人物なんて相当限られるはずです。
それでいて、赤司君を知っている、もしくは会ったことがあり、強い好意を抱いている。

どうでしょうか、これだけ条件が揃えば」


「ああ。相当絞られるね。
分かった、その線で僕も少し調べてみよう。」


「ありがとうございます。助かります」


画面の向こうの赤司に向かって、黒子はぺこりと頭を下げる。
黒子としては正直、この言葉を期待していた節もあった。

もし黒子の言う説が正解だとしたら、正体を突き止めるのも追い詰めるのも、できるのは赤司しか居ないのだ。


「礼を言われることじゃない。
僕も自分にかかっている容疑は早く晴らしたいからね。

むしろテツヤがはっきり言ってくれて助かるよ、僕に直球で物申せる人はそんなに居ないし、何よりAのことだ。

ふふ、人のことは言えないけれど、お前はAに関わると感情が強く現れるね。幼馴染としての庇護欲なのか、それともーーーー

…なんてね。野暮なことは聞かないでおこう」


「…そうですね。彼女がどう思っていようとボクの大切な人であることは変わりませんから。」


一瞬だけひりついた空気を、黒子が淡々と押し流す。

嘘をつく気も誤魔化す気も無かったが、ここで赤司と駆け引きしても無駄なことは分かっていた。

黒子テツヤは、彼女を守れればそれでいいのだ。


お互いが次に話すべきことを考えている間の短い沈黙。
口火を切ったのは電話を掛けた黒子だった。




「………赤司君。

ボクがこの誘拐事件で一番恐ろしかったのは、Aが眞鍋朝人に乱暴されそうになったことです。
電話越しに聞いた時も、体育館で組み敷かれているのを見た時も……ボクは、怒りと恐怖で心臓が張り裂けそうでした。
キミもきっとそうでしょう?」


「…………」


無言は肯定。
黒子は畳み掛けるように続ける。
どこにもぶつけようの無かった怒りが、言葉にしたことで急に溢れて止まらなくなったのだ。


「ボクは。
彼女が自分で決めたことに口は挟みません。彼女が幸せならそれでいい。」

第235話:激昂→←第233話:釈明



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Mae(プロフ) - ?? ??さん» わー!嬉しいコメントありがとうございます!遅くなりましたが続編もぜひお楽しみ頂けたらと思います!^^ (2022年4月19日 19時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
?? ??(プロフ) - つい一気読みしてしまいました、、くっそ面白かったです続き待ってます!!! (2022年4月9日 21時) (レス) @page47 id: faab22f8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» お待たせしてすみません!汗楽しみに待っていて頂けて本当に嬉しいです!!(*ˊ˘ˋ*) (2022年1月20日 3時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - やはりMaeさんは神だ…!更新ありがとうございます! (2022年1月16日 21時) (レス) @page46 id: e645865379 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» 神!?笑コメントありがとうございます!書き溜めておりますので暫しお待ちを!かっこいい赤司くん書けるよう頑張ります(^^) (2022年1月8日 16時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mae | 作成日時:2021年3月17日 2時

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