第226話:調子 ページ36
合宿中の身でもある私達2人はその後一応念の為時間をずらしてそれぞれの部屋に戻り、きっちり消灯時間には布団に潜り込んだ。
電気を消すまでさつきちゃんは起きていたけど、
「今度じっくり聞かせてね……♡」
としっかり釘を刺された。
こういう時ガチなんだよね、この人……こわいこわい。
私はやっぱり今日色々ありすぎた疲れで、布団に入ってからの記憶がほとんど無いほど、爆速で眠りについたらしい。
そして合宿最終日の朝を迎える。
*
合宿3日目は主に練習試合で、ちゃんと順位まで決まる、大会に近い形で行われる。
勿論帝光中の理念通り勝つことは当たり前で、久々の試合形式に皆気合いが入っていた、のは言うまでもないことなんだけど。
なんせ今日の赤司さんは凄かった。
いつもなら全体のためにパス回しに徹したり司令塔としての役割を全うするイメージのある彼が、さながらスコアラーのようにバンバン点を決めていくのだ。
昨日の疲れは何処へやら、なんかもう、無双状態というか。
「あの、今日の赤司さん凄過ぎませんか…?」
「だねぇ、こんなに積極的に自分で決めに行く赤司君は見たことないかも。
…でも、まぁ、男の子って?
なんかご褒美とか嬉しいことがあると急に頑張れたりするものなんだよねぇ。
昨日の夜とか相当良いことあったんじゃない?過去一気合い入っちゃうくらい♡」
確信的ににやにやと私を小突くさつきちゃんに、真っ赤になった私は何も言い返せず。
ただでさえ昨日の大胆過ぎた自分の行動や言動を思い出して、赤面しては落ち着けてを繰り返しているのに。
でも正直かっこよすぎる、どうしようってくらい。
当然のように帝光中は練習試合のリーグ戦を独走し、圧倒的な優勝を飾った。
赤司さんはMVPとかまで貰ってた。
キセキの面々もそれぞれ何らかの表彰を受け取ってて。
あまりに圧倒的な存在である彼等を見ていると、眞鍋くんがどれだけ悪意のある要求を突き付けていたかにゾッとする。
彼等はやはりバスケットにおいて負けるわけがなく、負けていいはずがないのだ。
何があっても。
合宿は全ての日程を終了する。
「キセキの世代」の新しい栄誉と、ほんの少しの蟠りを残して。
バスに乗って神奈川から東京へと戻るバスの中は、行きと違って皆ぐっすりと眠り落ち、静まり返っていた。
厳しい合宿を乗り越え、満身創痍の今にも倒れそうなテツくんと一緒に、ゆっくり家路に着く。
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Mae(プロフ) - ?? ??さん» わー!嬉しいコメントありがとうございます!遅くなりましたが続編もぜひお楽しみ頂けたらと思います!^^ (2022年4月19日 19時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
?? ??(プロフ) - つい一気読みしてしまいました、、くっそ面白かったです続き待ってます!!! (2022年4月9日 21時) (レス) @page47 id: faab22f8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» お待たせしてすみません!汗楽しみに待っていて頂けて本当に嬉しいです!!(*ˊ˘ˋ*) (2022年1月20日 3時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - やはりMaeさんは神だ…!更新ありがとうございます! (2022年1月16日 21時) (レス) @page46 id: e645865379 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» 神!?笑コメントありがとうございます!書き溜めておりますので暫しお待ちを!かっこいい赤司くん書けるよう頑張ります(^^) (2022年1月8日 16時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2021年3月17日 2時