第220話:白状 ページ30
「じゃあ教えて。あいつに何されたか、全部。
でないと勝手に動いてしまうよ。
Aが嫌だと言わない限りは」
少しだけ口の端を上げて、今度は頬をすり、と擦り付ける。
敏感な内腿の皮膚に赤司さんのやわらかい頬の感触が伝わってきて、ぞわぞわと変な感覚が込み上げてくる。
「さぁ。
どこを何されたって?」
「っ……だからッ、その……ふ。
太腿を。」
「うん」
「噛んだり…吸ったり……、とか」
「……ん」
眞鍋くんからされたことを伝える度、私から「噛んで」「吸って」とねだっているみたいで、それが恥ずかしくて堪らない。
短く了解の返事をして、あ、と大きく開いた赤い口が、私の太腿に齧り付く。
硬い歯の感触がやわらかい皮膚にゆっくり沈みこみ、私が痛みを感じないぎりぎりのラインで、するりと力が抜かれる。
甘噛みの合間を縫って、時折彼の唇が軽く肌に吸い付いてくる。
ちゅう、ちゅうとわざとらしく音を立てるから、短く部屋に響くリップ音がいたたまれない。
思わず目や耳を覆おうとしたけど、伏せられていた赤い瞳がちらりとこっちを向いて「ちゃんと見ていろ」と伝えてくる、それだけで私は目を離せなくなってしまう。
せめて、今にも漏れてしまいそうな声を、口元を抑えることで必死に留めるしかできないのだ。
「んッ……!」
赤司さんはさっき二つのルールを決めた時には既に、こうなることを予想して先手を打っていたのだろう。
私の口から白状させるために。
そうだ、ただで転ぶような人じゃない。
今日みたいな事件があったとて、時にはそれをダシにすらして。
いつだってこの人は、実に愉しそうに。
甘く、
優しく、
私を追い詰めるのだ。
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Mae(プロフ) - ?? ??さん» わー!嬉しいコメントありがとうございます!遅くなりましたが続編もぜひお楽しみ頂けたらと思います!^^ (2022年4月19日 19時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
?? ??(プロフ) - つい一気読みしてしまいました、、くっそ面白かったです続き待ってます!!! (2022年4月9日 21時) (レス) @page47 id: faab22f8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» お待たせしてすみません!汗楽しみに待っていて頂けて本当に嬉しいです!!(*ˊ˘ˋ*) (2022年1月20日 3時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - やはりMaeさんは神だ…!更新ありがとうございます! (2022年1月16日 21時) (レス) @page46 id: e645865379 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» 神!?笑コメントありがとうございます!書き溜めておりますので暫しお待ちを!かっこいい赤司くん書けるよう頑張ります(^^) (2022年1月8日 16時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2021年3月17日 2時