第219話:歯型 ページ29
ふぅ、と熱い息に鼓膜を揺らされれば、耳がぼうっと一気に燃え上がったのが見えなくてもわかる。
「もうっ……!赤司さん!
先に進みますから一旦離れてください!」
「ごめんごめん、つい」
赤司さんの肩を両手で押し退ける。
何が「つい」だ、されたことと関係ないし!
口では謝ってるけど全然反省してないな、この人。
この後、眞鍋くんは一度私の上から転がるようにどいて、それから太腿を凄い噛まれたような気がする。
とりあえず記憶を頼りにベッドの枕の方に体を引き上げ、ハーフパンツを片足、いけるところまで捲る。
履いてきたのが長いスウェットとかじゃなくて良かった、と思ったら。
「っうわ……」
右足の内腿に、自分でさえ思わず目を背けるくらい酷い噛み跡と青痣。
彼はかなりの興奮状態だったから、一番手酷く噛まれた部分だろう。
なんていうか……グ口テスクだ。
血が出ている傷が少ないのが救いだけど、多分、治るまで暫くかかるだろう。
「ご、ごめんなさい。気持ち悪かったら無理になぞらなくても、」
「何故Aが謝るんだ。
一番痕が多い所ほど、飛ばしたら上書きの意味がないだろう。」
「それはそうですけど、で、でも…」
「…見くびってもらっては困る。彼奴への怒りは沸けども、
これくらいで引いたりはしないよ。
大丈夫、これは僕のためでもあるんだから」
そう言って赤司さんは寝そべる私の足の間に
移動し、私の痣だらけの右足を下から抱え込んだ。
軽くお尻が上がるくらいのところまで太腿を持ち上げられ、躊躇う私の脚の内側にちゅっと音を立てて口付ける。
「!? あ、赤司さん!なにして…」
「何って、再現しているのだけど。
裾を捲ってくれたからキスしていいのかと思って。
違った?」
「いやっ、違っ…く…はない、ですけど」
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Mae(プロフ) - ?? ??さん» わー!嬉しいコメントありがとうございます!遅くなりましたが続編もぜひお楽しみ頂けたらと思います!^^ (2022年4月19日 19時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
?? ??(プロフ) - つい一気読みしてしまいました、、くっそ面白かったです続き待ってます!!! (2022年4月9日 21時) (レス) @page47 id: faab22f8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» お待たせしてすみません!汗楽しみに待っていて頂けて本当に嬉しいです!!(*ˊ˘ˋ*) (2022年1月20日 3時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - やはりMaeさんは神だ…!更新ありがとうございます! (2022年1月16日 21時) (レス) @page46 id: e645865379 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - ルカさん» 神!?笑コメントありがとうございます!書き溜めておりますので暫しお待ちを!かっこいい赤司くん書けるよう頑張ります(^^) (2022年1月8日 16時) (レス) id: d276010101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2021年3月17日 2時