第259話:ぼんやり ページ23
「ーーーー……」
は。
あ、え?いま、一瞬失神してた……?
少しくらくらしている視界を覗き込んでいるのは赤司さんの顔。
綺麗なお顔。
ぼんやりとした頭のまま、椅子から抱え上げられる。
「このまま保健室に行こう。その感じでは普通に授業を受けるのは難しいだろう」
いや……誰のせいで……
私が混乱したまま何も言い返せずいる内に、午後の授業開始の本鈴が鳴った。どちらにせよ遅刻だ……ならもう、いいか……
……いいのか……?
よくわかんない。
赤司さんがそう言うならいいのかな。
覚醒しきらない頭をもたげる私を見て、くすくすとおかしそうに赤司さんが笑って言う。
「ふふ。そんなに悦かった?
やっぱりAにはキモチいいお仕置が一番なのかな」
あ。そうだ……お仕置きって。
まさか本当に失神するまでやられるとは思わなかった。
品行方正、清廉潔白で有名な赤司さんが授業を軽くサボってまでするなんて誰が予想できる??
「これに懲りたら他の男には無闇に近付かせないようにね。分かった?」
この問いかけにはコクコクと頭を振って応える。もうあんな、頭と体の許容量を超えるようなお仕置は暫く御遠慮したい。
「よろしい。
しかし可愛いね、君は。気持ち良すぎて気を失ってくれるなんて。
僕ももちろん悦かったよ。
約束を破らずともキスだけご所望なら、僕はいつでも歓迎するよ?」
顔を近付けてきてにやにやしながらそう言う赤司さん。
め、めちゃくちゃ馬鹿にされてるーー!!
くやしい!!!
気持ち良くって気絶したわけじゃないもん!!!!
憤慨の意を込めて肩をぼこっと一発殴ってやった。
「はは、痛いいたい」と全然痛くなさそうに流される。
く、くそ〜〜〜なんでこんな余裕なの……!
さっき「これが赤司さんの本気のキスなら…」って言ったの誰?底が知れなすぎる。
まだ中学生のくせに、あんなキスどこで覚えて来るんだか。
いつか絶対、ぎゃふんと言わせてみせる!!
...その前に、曰く私は視線には敏いくせに一部から向けられる感情には鈍いようなので。
赤司さん以外の男の子にもうナメられてちょっかいをかけられないように。
あと、あの…下心?とかも上手く避けられるように、強くなろうと決心を固める私であった。
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白虎 - 赤司くんはやっぱりカッコイイですね〜 (7月21日 10時) (レス) id: eab1ac402f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mae | 作成日時:2022年4月19日 19時