参 ページ6
『サクラから言伝されました。
何か御用でしょうか?』
火影室に入り、カカシ先輩の前に立つなり私は切り出す。
私がカカシ“先輩”と呼ぶのは、出会いが暗部だったから。当時の関係は先輩と後輩。
「そうそう」
『暗部関係ではなさそうですね』
「おっ、相変わらず察しが良い」
終始笑顔の先輩を無言で見つめる。
「お前を担当上忍に任命する」
そんな私に先輩は突然告げた。
───…
あまりにもサラッと言われて。
『…は?』
やっとの事で発した言葉はそれだった。
「流石のお前でもびっくりしているようだね」
なんて先輩はやっぱり笑顔で。
『すみません、聞き間違えかもしれません。
私が担当上忍?え?何言ってるんですか?』
「いいね。
常に冷静沈着であるAのこんな姿を見るのは新鮮だ」
『呑気な事言ってないで私の質問に』
「そうだ、それで合ってる」
聞き間違いではない…
『…だとしても先輩。
私暗部をやめる気はないですよ』
「ああ」
『はい、では…』
「勿論それを許可した上でだ」
『えー…ありなんですかそれ…
しかも私には子供を教える資格など』
「ん?昔の事言ってる?」
『だって私は…』
ここで頭を過ぎるのは過去の里抜け。
いくら暁潜入任務のためだったとはいえ、結果的に里抜けという決断を下したのは自分である事に変わりはない。
「逆に昔があるからこそ、他の者より教えられることがあるんじゃないのか?」
確かに否定はできない。
「それは肯定と受け取っていいんだな?」
『私なんかより、もっと適任の者がいるではないですか』
「俺はお前が強いからという理由だけで担当上忍に選んだんじゃない。
Aが適任であると判断して言っているんだ」
ふと先輩の顔が真面目になる。
「別に強制している訳では無いんだよ。
だから嫌なら嫌とハッキリ言ってくれても構わない」
先輩は時間にルーズであるくせに、私の心に関しては先をいく。いつも心の奥底で望んでいる方へ引っ張って。
そして、優しい言葉の裏にある、逃げ場のない選択をさせる拘束力。
『やります』
言ってしまった。
真っ直ぐ言葉を返すと、また優しく笑う先輩。
「そうか、ありがとう。
後日、班分けと担当上忍を発表する場を正式に設ける」
『了解しました』
「よし、頼んだぞ、A」
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NAO - ユウさんのこのお話がものすごくよかったのでまたお願いします (2022年7月2日 16時) (レス) id: 3debc04b40 (このIDを非表示/違反報告)
NAO - になって再会したと言うようなお話を書いてほしいですそしてすごくチートな感じでサスケが左目輪廻眼のように妹は右眼輪廻眼左目永遠の万華鏡写輪眼というような感じのを書いてほしいなと思いましたお話が長くなるのは個人的にはすごく嬉しいのでお願いします (2022年7月2日 16時) (レス) id: 3debc04b40 (このIDを非表示/違反報告)
NAO - すごく楽しく読まさせていただきました!こーいうお話ないのかなって探していたのもあったので見つけた時はすごく嬉しかったです!!!!それで、リクエストをしたいのですがサスケの双子の妹で時代がナルト達が大人になってボルト達の時代のお話でサスケの双子の妹が暁 (2022年7月2日 16時) (レス) @page46 id: 3debc04b40 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。私もずっとお話を考えていただけあって寂しいですが、また次の作品を頑張っていこうと思っています^^美桜さん、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました! (2017年11月12日 16時) (レス) id: cd8c9dfa3b (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 完結はおめでたいですが、何となく寂しいです…!癖で、隠しごと -拾- の更新がされてないかを見に来てしまう今日この頃です(笑) (2017年11月12日 15時) (レス) id: 75558905fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウ | 作成日時:2017年10月24日 23時