【NARUTO】隠しごと -拾-

参拾陸 ページ39

ｶﾘﾝ「手術は成功した。

後は薬を投与して順調に完治してくれれば…いや、その前に目を覚ましてもらわないとだな」





私達の待つ病室に再びA先生が運ばれて来た。

口元には酸素マスクがされ、手には無数の管が繋がれている。





ｻｽｹ「…そうか」





香燐さんの言葉に私達は一先ず息をつく。

まだ完全に助かったわけじゃないけど。





ｶﾘﾝ「…マジでAはサスケにも言ってなかったのか？」





ｻｽｹ「ああ」





サスケさんはA先生に目を向けたまま頷く。





ｻｽｹ「迷惑をかけたくなかった、の一点張りだ」





ｶﾘﾝ「サスケとはどうしても“普通の”恋人として過ごしたいって…ウチに話してた。

分かってやれよな」





ｻｽｹ「ああ…」









ｶﾘﾝ「ところで」





そう言ったかと思うと香燐さんが私達を振り返る。





ｶﾘﾝ「このガキ達誰？」





そんな香燐さんに思わずビクつく私達。





ｺｳ「俺達、A先生の班の…」





ｶﾘﾝ「ああ、テメーらか。

水月のヤローがこの前話してた子供ってのは」





「た、多分そうかと…」





ｶﾘﾝ「それにAも言っていた」





「先生？」





思いがけない形で出てきたA先生の名前に、思わず聞き返す。





ｶﾘﾝ「成長する姿を見たい大切な人が増えたから、まだ死ねないってな。

思えばそれはお前達の事だったらしい」





「！」





ｱｷ「そんな事を…」





ｻｽｹ「たとえ言えない事があるとしても、Aは誰よりもお前達の事を信じていた」





私達が思うように、A先生もまた私達の事を大切に思っていてくれていた。





ｺｳ「なのに俺…先生の気も知らずあんな言い方…」





塔での事を悔いるコウ。





ｻｽｹ「Aもそう言わせてしまった事を悔いていた」





ｺｳ「そんな！A先生は何も悪くないっス」





ｻｽｹ「ならお前も悪くない。

お前達はただAの事が知りたかったんだろう？」





「はい」





ｻｽｹ「なら、それでいい。

此奴が目を覚ましたらちゃんとそれを話してやれ」





ｺｳ「！はい」





「それでもAが言わない事がある時、それはお前達を守る為だ」と、サスケさんは最後にそう言った。





尊敬していて、大好きで、

他の誰にも変えることの出来ない人。





そんなA先生のことが私達は知りたい。

知らないことだらけのままは寂しいです。









だから、早く目を覚まして、









＿＿＿先生のこと、教えてください。

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