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私が恐る恐る教室に戻ると、御幸は私に手招きをした。
A「ひいいい!」
御幸「ひいいいって何?」
なんでこの人は無駄にオーラ放出してくんだろう。しまっといてほしい。
窓際の真ん中辺りの席。
御幸の前の席の倉持は、御幸に頼まれて自分のイスをひっくり返してる。
倉持「使っていいぞ〜!ご愁傷さま〜♪ヒャハ」
ああ……。
言い得て妙。本当に言い得て妙。
私の心は、
ポクポクポク……ちーん
御幸「MTGすんぞ〜」
御幸は机の上にノートを出して、ペンを構えて待っていた。
A「はぁ……、NPT……」
御幸「核兵器不拡散条約……。は?ちげぇよ」
A「え?違う?LPG?」
御幸「液化石油ガス!何の話だよっ」
私は倉持が今ひっくり返したイスに座った。
A「ええぇ!?MVP!?」
御幸「最優秀選手。おお!」
机を挟んで目の前にいる御幸は私をガン見して言った。
御幸「オレ、ほしい」
ガーーーーーーン!!!
A「(クッ)この腐女子ホイホイめ!!」
御幸「何それ。ミーティングすんぞ」
A「ミ、ミーティングならミーティングって言えよ!」
御幸は厳しい顔で私を指さした。
御幸「言葉遣い」
A「は?」
御幸「ダ〜メ。それ」
なんで御幸にそんな説教されなきゃなんないんだ!
私は私を指さしてる御幸の人差し指を掴んだ。
A「じゃあ、御幸も、人様に指さすな!」
御幸は、御幸の指を掴んでいる私の手をじっと見て静止中。
A「な、なに?」
御幸「この形、えろくね?」
A「…………」
御幸「…………」
A 「◎△$♪×¥●&%#?!」
御幸「せっかちさん♡」
A「ちがっ!ちがっあうあうあう」
御幸は横を向いて、プーーーーーーーーーーー!!っと吹くと、口元を手の甲で隠して私に向き直った。
御幸「やべぇ、おもしれぇ」
笑いながらこちらを見る顔は、とんでもない造形美だった。
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作者名:ほさつ1秒83 | 作者ホームページ:https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時:2020年9月4日 16時