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御幸「なんなの。これ」
A「なんなの。とは……」
御幸「ちゃんと説明しろ。両思いなんじゃねぇの?速攻浮気?」
A「は?いや、別れるって言ったよね」
御幸「合意してない。納得できるかよ?あんな一瞬で気持ち変わるとか」
A「だって……」
御幸「浮気?って聞いたことは否定しないのかよ」
A「道に迷ってたのを、親切に送ってくれただけだし!」
御幸「あ〜〜っそ!まぁいいわ。そこは。で?なんで?」
汗だくのシャツをパタパタとあおぎながら、ニッコリ笑う。
御幸「ま、無事に会えて良かった」
そして、小脇に抱えていたブレザーを私にかけてくれた。
御幸「ちょっと肌寒くなったな。秋になるって感じ!」
御幸の匂いする。ずっと一緒にいたくなる。
どうしたら、諦めてくれるだろう。
A「どうしたら、納得して終わらせてくれるか教えて」
御幸「いや、だから、なんで突然そうなったのかを先に教えろよ」
ただ、きっと普通に聞けば良いだけなんだけど、これが底辺のプライドなのです。
3ヶ月もいい夢見させてもらえる。
それに飽き足らずですよ。
何で3ヶ月?と問う愚かさや図々しさを、表に出した時点で「こいつ、何勘違いしてんの?」と思われる。
だから、初めから傷つかずに済む道を選んだほうが安全だ。
好きって気付いた気持ちはもう、遠くからキュンキュン見るだけにさせてほしい。
偶像は鑑賞するに限る。
それに、御幸、騒がれないで済む無難な人間で、変なことしたいだけなんじゃないの?3ヶ月限定って。
危なく騙されるところだった。
御幸「もしかして、オレ、お前のこと身体が目当てとか思われてる?」
A「へ?!」
私は急いで目を逸らした。
御幸「はは〜ん。そういうこと。オレ試されてんだぁ」
A「違うよ!本当に別れて欲しいんだよっ!」
御幸「そ〜んなわけないだろぉ。A、オレのこと大好きだもん。な?」
何?そっちこそ、突然そんな自信満々に!
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作者名:ほさつ1秒83 | 作者ホームページ:https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時:2020年9月4日 16時