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両手を頭の後ろにやる。
御幸「どうしたら好きになってもらえるか、もう分かんねぇ。速攻、手の内、出し切った」
A「“速攻、手、出した”の間違いじゃないの？」
御幸「っは！確かに！(ｸｯｸｯｸ)」
A「笑い事じゃないし！」
御幸「もっと手、出してもいい？」
A「は？ダメ！」
御幸「チューしたい」
御幸は起き上がって近づいてくる。
ドッドッドッドッドッドッドッ
A「ダメッ！！って言ってるでそ！！」
御幸「(ﾌﾟｰｰｰ！)言ってるでそ！って、何それ可愛い♡」
頑張って平常装ってるのに最後噛んじゃった。
無駄に、オーラ出すのやめて欲しい。
無駄に、色っぽいのやめて欲しい。
眩しすぎて、アングラ人生歩んできた私は陽の光を浴びたモグラみたいに苦しくなる。
御幸は私を草の上に押し倒して、じぃぃと見つめてくる。
ヤバい。メガネなしの御幸はホント反則だってば！
御幸「痛！」
A「え？なに？」
御幸「やべぇ。コンタクトズレた？埃入った？なんか痛てぇ」
御幸は手のひらを顔の前に構えて、瞬きでコンタクトを出した。
御幸「あ〜。なんだよ、痛ってぇ！だから嫌なんだよ！スポサンしねぇでコンタクトすんの！」
御幸はスクバからメガネケースを出すと、メガネをかけた。
御幸「は〜♡落ち着いた♡」
A「は？」
御幸「ん？」
A「はぁ？」
御幸「なんだよ」
A「メガネ割れてないじゃん！！」
御幸「……あ。バレた？」
A「なんで？え？なんでわざわざ嘘ついて」
御幸「んー？別に……。気分？」
思い出した。
朝、私が髪のこと気にして、教室に入れずにいて……。
それで御幸、あの時……。
私が……。注目浴びるの嫌だったから……。
それで、自分の方に……。
何かが込み上げてきて、私の顔はぐしゃっと歪んだ。
何か目が滲みてきて、それからポロポロ涙が零れた。
御幸「な〜に泣いてんの」
御幸は片手で私をギュッと自分に引き寄せた。
御幸「好きになっちゃった？オレのこと」
私はウンウンウンウンと小刻みにうなづいた。
御幸は、「へ？」と、間の抜けた顔をしてから、
「はぁぁっ」と息をついて、反対の手も背中に回した。
御幸「お前……。単純……」
と言って、私のおでこにチュッっとキスした。
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作者名：ほさつ1秒83 | 作者ホームページ：https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時：2020年9月4日 16時
