→ ページ43
御幸は土手の斜面を少し降りたところで座って、掴んでる右手がツンと私を引いた。
私はしゃがんで御幸に聞く。
A「どうしたの?」
御幸は私の手を引いたまま黙っている。
うーん。困る。
A「どうしたの?」
御幸「……怒って……る?」
A「え。怒ってないよ?」
御幸「怒ってるだろ」
A「怒ってないよ!」
御幸「いや、怒ってる」
A「怒ってないってばっ!……あ」
御幸「ほら、怒ってる」
A「しつこいから!」
御幸「ホントは怒ってるけど?」
A「いい加減、本気で怒るよ?」
御幸は口を尖らせて、手元にある草をちぎって投げた。
御幸「あ〜!オレ、カッコ悪りぃ!」
A「そう?」
御幸「そ。Aどんどん可愛くなってんのに。オレ、置いて行かれそ」
A「はぁ?!」
御幸は座ってる姿勢から背中をドンと草の上に下ろして寝転がった。
私が御幸の横に腰を下ろすと、御幸はゴロンとこちらに身体をよじって、私の腰にギュッと抱きついてくる。
きゅーん。
いやいや。
A「なに?どうしたの?甘えてんの?」
御幸「え?なに?甘えさせてくれんの?」
A「うーん?」
そう言って、私は御幸の頭をよしよしと撫でた。
53人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほさつ1秒83 | 作者ホームページ:https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時:2020年9月4日 16時