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残り2枚の曼荼羅を誰に渡すかは決めている。
ひとつは小湊くん。
魔法の言葉をくれたから、
私の「はじめの一歩」でお礼がしたかった。
たしかC組だったはず。
小湊「あれ?
2-Cに向かったけど、階段を降りてすぐの廊下で会ってしまった。
小湊「ボクたち、今、先輩のクラスに行こうとしてたところで……」
沢村「先輩が、
ああああああああ。
2人とも尊すぎて足腰抜けそう。
それに……沢村くん一緒か。
どうしよう。
A「こ、小湊くんっ!あの」
ザワザワ…
「「「「(誰?あの人……3年生?)」」」」
ヤバい。この有名人2人のところに学年の違う私が会いに来てるって、図々しいにも程がある。
出直そう……。
私が出直そうとすると、
ザワザワ……。
「「「「(やばっ!?超絶可愛すぎるっ!!)」」」」
は……。
はぁぁぁ!?違う人の話だった?
私は辺りをキョロキョロと見回した。
「も、もしかして!あの
話しかけてくる女の子がいた。
沢村「そうだぞ!ありがた〜いお方だ!
はい?
吉川「わ!私!吉川と言います!あの、あ、あああ、握手してくださいっ!」
女の子はぺこりと頭を下げた。
はい?
吉川「あのっ!あのっ!!」
沢村「分かる!分かるぞ、吉川!!オレなんか、キャップに頼まれて、およそ20分くらいご
私はまったく状況が掴めないまま、吉川さんが差し出した手はそのまま、
小湊くんに曼荼羅を押し付けるように渡して、その場を走り去った。
小湊「え!?
走ってその場を逃げながら、振り返る。
何かがおかしい!
何かがおかしいぞ!!
私は混乱でも羞恥心でもなく、ただただ何かにまた化かされているようなおかしな気持ちになった。
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作者名:ほさつ1秒83 | 作者ホームページ:https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時:2020年9月4日 16時