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どれだけ経っただろうか。
私はゆっくりと御幸から離れた。
御幸は自分のスクバの中から、包みを出した。
御幸「忘れ物」
御幸からのプレゼントだった。
A「ごめ……」
御幸「押し付けがましかったか？」
御幸は優しく笑った。
咎める感じじゃない。
A「私……やってみる。点描」
御幸の顔が華やいだ。
御幸「良かった……。記念すべき第一作目は、オレにちょーだい」
A「うん……。ありがと」
御幸「………あー」
御幸は少しだけ顔を横に背けてから、チラリとこちらを見る。
A「ん？」
御幸「髪……。ちょっとできすぎだな」
A「……できすぎと言いますと？」
御幸「あんま、人に見せたくないっつーか……」
A「はじめの一歩なの」
御幸「ん？」
A「点描と髪、明日デビューなの」
御幸はニッカリ微笑んだ。
御幸「まぁ、あんま他人に見せたくないのはオレの方だから」
A「へへへ」
御幸「座ってい？」
A「どぞ」
御幸はベッドを背にしてどっかりと座った。
御幸「抱っこしたいんだけど。バックハグ」
A「…………ナンデスト？」
御幸は手招きしている。
大きく脚を開いてその真ん中をポンポンっと叩いた。
御幸「おいで」
A「え？えと」
御幸「どういうお前でも、受け止めてやるから」
A「……部屋が汚くても？」
御幸「……ホントだよ。なんとかしろ」
A「……壁紙見えなくても？」
御幸「……うーん。そこは応相談だな」
A「御沢萌えでもい……」
御幸「ダメ」
A「全然受け止めてないじゃん！……じゃない？」
御幸「(ｸｯｸｯｸ)そうそう。女性は女性らしく」
御幸は両手を広げた。
御幸「いいから。おいで」
素直になってみる。
もう、私は好きって思ってる。
言わないけど。
御幸の脚の間に収まった。
御幸は私の首を巻くようにギュッとしてきた。
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作者名：ほさつ1秒83 | 作者ホームページ：https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時：2020年9月4日 16時
