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ドアの外であっかーと御幸がなんかごにょごにょ話してる。
そう言えば、あっかー、御幸と普通に話せてるんだ。
御幸「Aー。んじゃま、そのままでいいよ。聞いて?」
A「……」
御幸「今日はゴメン」
御幸はドア越しに話し始めた。
A「……」
御幸「あの後、倉持にめっちゃ怒られたわ。ホラ、倉持、小湊かわいがってっから」
A「……」
御幸「オレのこと、もう完全に嫌?」
そんなんじゃない。
でも……。
お姉ちゃんに聞かれたくない。
どうしよう。
A「ちょっと……待ってて」
私はそこら辺にあった紙袋にジャンジャカ推しグッズを放り込んで、ジャンプを重ねて全部クローゼットに押し込んだ。
(ガチャ……)
A「どうぞ……」
私が恐る恐る、そおっとドアを開けると、
手を引かれて、
気がついたら
御幸にぎゅう〜ってされてた。
…………
…………ヤバい。
どうしよう……。
私の真ん中が、『きゅう〜』ってする。
どうしよう……。
A「あっか……」
御幸「帰った」
A「御幸だけ……」
御幸「ああ……」
不思議だ。
身体の力がなんだか抜けて、
御幸の体温が気持ち良くて……。
御幸「なぁ……」
今は話すよりこうしてたい。
私は御幸の胸の辺りで制服をギュッと握った。
御幸の身体がピクリと動いた。
御幸は身体を折って、私の首元に頭を埋めた。
御幸の……息……が、かかる。
ずっと……、
こうしてたらダメかな……。
………………好き。
言わないけど。
抱きしめる腕の力が強くなった。
………………好き。
また御幸の腕が抱きしめ直した。
口に出してないのに、伝わってるみたい。
私たちはしばらくそのままそうしていた。
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作者名:ほさつ1秒83 | 作者ホームページ:https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時:2020年9月4日 16時