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A「ええ！？髪の毛切ろうとしてるの？！ありえない！やめてやめてやめて！」
御幸「沢村」
沢村くんは私の前に向かい合うように座った。
沢村「
御幸「お前はヘビに睨まれたカエルの如く、沢村萌えしてそこで固まってろ」
A「なんという……ことだ」
御幸は私の耳元で言った。
御幸「おしおきな？」
小湊くんはヘアカタログを見ながら指示する麻耶に頷きながら、私の髪の毛にハサミを入れていく。
春市「
A「そ、そうなの？それでそのクオリティ？！」
小湊くんの髪型、こんなにかわいいのに、自分で切ってたんだ！
沢村「春っちはキングオブ器用さんですからね！大丈夫です！」
A「キングオブ器用さん♡って可愛すぎる……」
御幸「……。小湊……。丸坊主でいいぞ」
A「ウキャーー！」
鏡がないから自分がどうなってるのか分からない。
でも、切った髪型のバランスを確認するために、私の前に回ってくる小湊くんと、息がかかるんじゃないかという近さになるから、ドキドキしちゃう。
首筋で髪をかき上げる指先もえろいしヤバい。
御幸がまたチョップしてきた。
御幸「後で覚えてろよ？」
御幸はその間ずっと私の後ろにいた。
少しずつ沢村くんの顔つきが変わってくる。
沢村「キャ、キャップ！」
沢村くんは弱々しく指先で私を指して、アワアワと動揺し始めた。
近くで見ていた麻耶も、軽く口を開けて私を見てる。
クラスがザワザワし始めて、いつメンの顔は赤く染った。
春市「こんな感じでどうですか？」
麻耶は私から新聞紙を外して、床に落ちた髪の毛たちを一緒に丸めている。
御幸は「んー？」とか言いながら、私の前に回ってきてから、私を見た瞬間、プイッと横を向いた。
A「えっ？！何？！」
そして、ヘナヘナとしゃがみ込んで顔を覆った。
御幸「やべぇ。やめときゃ良かった……」
A「ちょっとーーーー！！」
最悪！最悪！！髪の毛切るの、失敗するなんて最悪！！私はトイレに駆け込んで、昼休み終了の予鈴を聞いた。
鏡を見て、そして、立ち尽くした。
A「なに……？何が起きた？」
そこには私じゃない私がいた。
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作者名：ほさつ1秒83 | 作者ホームページ：https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時：2020年9月4日 16時
