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私はトイレの個室で、そおっと包みを開けた。

A「額縁?」

ポストカードサイズの額。
ブラックバックにカラフルな曼荼羅が描かれていた。


A「わぁ…綺麗……。宇宙みたい」

どうやって描いてあるんだろう?
額とは別の包みに、色とりどりのペンと、小さめのスケッチブック。
スケッチブックをめくると、全部の画用紙が黒だった。



A「黒のスケッチブックなんてあるんだ……」


もしかしてコレ……


合わせてみると、額に入った曼荼羅とスケッチブックが同じサイズだった。


もう一度、額の中を見る。


キラキラの無数の粒が、交差して、列をなし、集まって……。






ウソ!!!








コレ、点描(てんびょう)だ!!!









A「御幸……。センスどうなの……?」



普通はアウト。

私には……。



どストライクだった。




それは紛れもなく私だけに向けたプレゼントで、



きっと奮発もしてくれた。画材は高い。






ポロポロと私の目からも、粒が列をなして落ちた。


うっうっう……。



なんじゃこりゃ、私、なんで泣いてんの。





劣等感とか、人を羨む気持ちとか、そういうものが溢れて止まらなくなった。






初めて人に「お前、すげぇな!」と言われた。






怖くて、自己承認欲求を隠して来てたのかもしれない。



A「余計なことして!ワーーーッ!!」





私は昇降口の一番近くの、いつもあまり使われていないトイレで大声で泣いた。




予鈴が鳴って、教室に着くと、御幸が私の顔を見てギョッとした。



あっかー「どうしたの?!A!?目、真っ赤!!」


いつメンが私を囲んでよしよししてくれた。


私はこの子たちが大好きだ。


あっかーは小説が書けるし、SNS上でファンも多い。

くれは絵が上手くて、コミケでもすぐ売り切れる。

はまちは男っぽいとこもあるけど、ゲームがすごく得意。


たまは声優ヲタだけど、実は自分もボイトレに通って声優を目指してたりする。


カースト底辺って言ったって、私からしたらみんなカッコよくて、私だけが何もなかった。


コレ、私もやってみたい。点描アート。
別に点描をやれたからって何にもならないけど、大好きな人たちを羨ましがるんじゃなくて、もっともっと純粋に大好きでいられたら嬉しい。



御幸が書こうとしてた、私のメモノートは、スカスカだったけど、あともう少し書けること増やしてあげられたらいいなと思った。

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設定タグ:ダイヤのA , 御幸一也 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ほさつ1秒83 | 作者ホームページ:https://twitter.com/hosatsu1_83  
作成日時:2020年9月4日 16時

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