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A「ご、ゴメン……。怒ったよね？」
御幸「ん？なんで？」
A「気持ち悪いよね……」
御幸「なにが？」
A「学祭だから、R指定じゃないけど、ＢＬはＢＬだし」
御幸はきょとんとした。
御幸「ＢＬってなに？」
A「…………」
御幸「…………」
A「いや、なんでもごさらぬ。お気になさるな」
私は本を取ってロッカーに戻そうとした。
御幸「なんだよっ言えよっ」
御幸は本を奪い返そうと手を出してきた。
私は取られまいと必死に抵抗して、御幸は回り込んでさらに奪おうとする……。
A「あ！」
御幸「あ」
気がついたら御幸の顔が目の前にあった。
御幸の目玉がぐりんと横を向いて、止まった。
私もすぐに離れれば良かったのに、負けた感が嫌でそのままそこにいる。
御幸「悪り」
A「え……」
御幸の顔が一瞬で近づいてきた。
御幸……なに、その顔……。
なにを、そんな……。
御幸の口が、
私の口についた。
なんか、柔らかかった。
私は目を開けたまま……。
心の中で念仏を唱えた。
南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……。
なにが起きてる？
どういうことだ？これ？
御幸はゆっくり離れていって、
固まってる私に言った。
御幸「……好きになってもらえるように、頑張ってみるから」
どういうことだか……。
いったい全体何が起きてんだか……。
この世がもしも大きな物語ならば、私は普通にモブなのです。
こんな……、主役級と関わることはないのです。
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作者名：ほさつ1秒83 | 作者ホームページ：https://twitter.com/hosatsu1_83
作成日時：2020年9月4日 16時
