ETERNAL STORY

あしたの足音　〜クラウド誕生日〜 ページ19

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　わたしが今まで過ごした数えきれない程の日の中で、一番大切な一日を選べと言われたら真っ先にこう答える。 8月11日、クラウドの生まれた日だって。

　自分の誕生日なんかよりずっとずっと愛おしくて、8月が目前となったときにはすでにわたしの頬は緩みっぱなし。

　生まれてきてくれてありがとう、クラウドの御両親も、クラウドを生んでくれてありがとうございます、とどれ程感謝してもしきれないと思うの。
　だって、君という存在に、言い表せないくらいの幸せを分けてもらっているのだから。

　もしわたしたちが出会わなかったら、もし別の人と出会っていたとしたら、わたしは今の何万倍も損をしていると胸を張って言えるでしょう。

　もう何度も言った『おめでとう』に、彼もわたしと同じように幸せを感じてくれたら。そんな気持ちを共有できたとしたら、わたしはもうそれ以上のことは望みません。


「…もうすぐだね」
「ああ」
「3、2、1…クラウド、誕生日おめでとう」


　クラウドはありがとうと言って、柔らかくきれいに笑って見せた。

　一秒ってこんなにも長いのか。でもほら、おめでとうって言ったとき、クラウドなんだか優しい表情してた。だから待ってた時間のことなんて気にしないけれど。

…喜んでもらえたって受け取ってもいい、よね…？

　こんな特別な顔を見れるのはわたしだけなんじゃないかな、って考えたら、かっと顔に集まった熱が思いっきり主張を始めた。うわあ今はやめてとぺちぺち頬を叩く。どきどき、心臓が鳴る。大好きな人の誕生日をすぐ側で、しかも一番に祝えるなんて。いくらお礼を言っても足りない気すらしてくる。

　来年もその次も、ずっとずっと一緒に、なんて月並みな言葉ばかりだけど、それら全てが愛しいと感じてしまうよ。もう一度、口の中だけで転がすように呟いた。

　おめでとう。ありがとう。
　生まれて来てくれて、わたしと出会ってくれて。

　昨日の明日の足音は、軽快に響きだす。




2017/8/11 HAPPY BIRTHDAY CLOUD!!
　クラウドの誕生日企画でした。来年もまたこういう企画したいなあ。。


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