GO ページ33
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「おい、お前。」
ウズベキスタンへ向けられる拍手と歓声の中、悔しがる西蔭は突っ立っているままだった。
先制点をもぎ取ったダストが見下すように話しかけて来た。
「逆サイドをつかれては流石に取れない。そう思ったよな?」
「……」
「それは間違った認識だ。俺のシュートは例え正面でもお前は取ることが出来ない。
……試してみるか?本当か嘘か。」
疑問形で聞いておいて、好戦的な態度丸出しのダストは西蔭に有無を言わさず去って行った。
西蔭は足元に転がったボールを拾い上げながらフィールドを見渡した。
円堂はいつもこうして、後ろからチームメイトのことを見ていたのだろう。
確かにここからなら、味方のフォーメーションなどは良く見える。
今日は司令塔がいないせいで、メンバー同士のフォローが機能していない。
個々の判断によるポジショニングでは、フィジカル面で圧倒的に上回る世界の選手には通用しない。
「(クソッ、俺が弱気になってどうする。俺は野坂さんが帰れる場所を守らなきゃならないんだ。
これ以上点を取られたら、終わっちまう。)」
西蔭は遠くを見据え、ギリッと奥歯を噛んだ。
ダストによる西蔭との一方的なやり取りを遠巻きに見ていた紫音は眉をひそめて呟いた。
「西蔭政也、敵に何か言われてるみたいだけど。」
「こっちは味方同士で言い合ってるよ。」
溜息混じりに報告してくれたタツヤの目線を辿ると、神と悪魔がバチバチと火花を散らしていた。
先程のヒロトの野次に灰崎が噛み付いたらしい。
間では稲森が オロオロしながらも宥めようとしているが、2人共喧嘩以外には一切聞く耳を持たない。
「…タツヤ、GO」
「明日人で止められないなら、俺が入っても変わらないよ。」
「内部分裂なんてしてる場合じゃないのに。」
1度ボールを奪われただけで点まで取られてしまった。
直ぐにでも取り返すべきだが、ウズベキスタンのディフェンス陣は全く動いていないので、実力も必殺技も未知だ。
しかしシュートを打たないことには始まらないだろう。
紫音は余裕満々と云ったオーラを放ちながら構えている、相手キーパーを射抜くように見つめた。
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます!最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2020年4月7日 18時