# きゅ う け つ き (リクエスト) ページ38
血が、足りない。
赤くて、トロトロで、甘ったるいほどの血液。
俺は力なく彼女の肩に頭をのせ、力なく項垂れる。
そして、重い口を開いて彼女に願い請うた。
『なぁ......頼むからくれよ........』
でも彼女はぷいとそっぽを向く
いつか染めたバイオレットのインナーカラーが目に映りこみ、
使っている同じシャンプーの香りが鼻をくすぐる。
「だーめ。だって痛いんでしょう?」
『痛くないから.....
痛くせぇへんから.............
ただ、気持ちよくなるだけやから......♪』
そういってゆっくりと押し倒した。
*****
「んっ…ぅ…あぁっ///…ぁ…んぅ…」
月夜に照らされて啼いているAは、ひどく美しく、官能的だった。
俺はただ、彼女の体を夢中で求める。
首筋、項、鎖骨に足。
色んな場所に “痕” を付けていく。
その度に漏らす甘い、甘い、声が堪らなく愛しい。ぐちゃぐちゃにして、乱れさせてやりたくなる。
どんなスイーツや甘いものなんかより、ずっとずっと甘い。
『…ん……はぁっ……あっま…♪』
浅い呼吸を繰り返し、熱い息を吐きだす。
快感に心が震え、体の感覚や理性、色んなものがガタガタと崩れていき、
俺をぐずぐずにしていく。Aの血を、体を、心を必死に求める。
蕩けた彼女は、
俺だけの淫らなお姫様。
そして、また彼女の柔らかな肌に牙を立て、舌で味わい、愛でる。
所々に紅い花を散らし、彼女を着飾りながら。
つぷっ、と皮膚の裂ける音
じゅる、ちゅる、って響く水音。
火照る体と熱を帯びた瞳が交わる。
ゆっくりと、ねっとりと、まぐわうように。
『……はっ……なぁ、A。血を吸ったとき、
一番美味しくて、
一番気持ちいいところ、って
何処やと思う?』
「………?」
分からない、という代わりに、蕩けた目で見つめてくる。
俺はこれから吸える甘美な血液を想像し、
醜いほどに口角が上がるのを我慢できひんかった。
『答えはな、
心臓
』
ぷつんッ
言い終わるのと同時に、
Aの左胸に牙を当て、柔らかな皮膚をぷつッと裂いた。
「んぁっ!!……あっぁっ////…ぁう」
『ん……っはぁ……んぅ……』
な、痛くないやろ?
終わり←* お ま け *
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伊月。(プロフ) - めっちゃ神作に出会ってしまった…..おそいかもしれんけど1201、、、? (2021年11月29日 21時) (レス) @page18 id: 4a8ec7f783 (このIDを非表示/違反報告)
月夜@Fake - 返信遅くなってしまいすみません!!占ツクは既に引退しましたので作品の更新はありません(汗)流石に心臓突き破るほど強くは噛んでないみたいですよ(((( (2021年2月24日 23時) (レス) id: 147cb98074 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい!あと志麻さん彼女ちゃんの胸で血、吸ったら彼女ちゃん〇じゃうんじゃないのか・・・?(´;ω;`) (2020年12月25日 22時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月夜@Fake - ちはやさん» 返信遅くなって申し訳ありません(´;ω;`) たぬきち!?wwwwwちょっ作者も笑ってしまいましたwwwwwwこちらこそ読んでくださりありがとうございました! (2020年12月24日 21時) (レス) id: 147cb98074 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーかわ(プロフ) - 月夜@Fakeさん» いやいやもうずっきゅんよ、、、、 (2020年7月31日 16時) (レス) id: 032bd3a16e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜@Fake | 作成日時:2019年8月20日 19時