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『……』




気まずすぎる。



とりあえず人目が気になるから家の中に移動した私たち。


リビングのテーブルを囲んで座ればいいのに、なぜか私両サイドに座る2人。

春ちゃんは腰を抱かれ、竜胆には手を握られてると言うなんとも言えない状況。



それなのに2人ともなにも言わないから無言でとにかく気まずすぎる。

頼むからなんか話してくれ…なんて心の中で願っていれば春ちゃんの声が聞こえた。





「テメェ灰谷Aの手離せや」

「は?お前こそその腰の手退かせよ」

「俺は良いんだよ、コイツの彼氏だから」

「きめぇこと言ってんじゃねぇよヤク中が」

「あ?!何もキモくねぇだろ!」

『あーもう喧嘩しないで!!』





なんでこの2人はすぐ喧嘩をするのか。

元々よく言い合いばっかしてたけど、今この状況で喧嘩されてもただただ迷惑なだけだ。





『春ちゃん、私家戻らないよ』

「……」

『距離置きたいって言ったでしょ?帰って』

「勝手に…1人で決めてんじゃねぇよ」

『勝手にって…それ春ちゃんが言えること?』





春ちゃんが、こう言う性格だって言うのもわかってる。

自分が正しい、って思い込んで何があっても絶対に謝ってこないこと。


今までは私が謝って、それで解決してきたけど今回ばかりはそうはいかない。




私がはっきりそう言えば、春ちゃんは何か言いたげな顔。





『他に、なにが気に入らないの』

「だからって、コイツらのとこに居んのは駄目だろ」

『なんで?』

「どうせ毎晩のようにヤってんだろ?コイツらと」

『は?』

「俺以外の男に抱かれるとか、お前こそ良い度胸してんじゃん」

『……』




多分もう、春ちゃんは救いようがない。

いくらなんでも捻くれすぎだよ。



たしかに竜胆とは1回身体を重ねた。

しかし、ここに居るようになってからそう言うことは一切ない。


確かに少し心配してたけど、2人ともなんだかんだ言って私のこと大事に思ってくれてるんだなって、そう感じてた。





『春ちゃん』

「あ?」

『まず、その考え方改めて』

「意味わかん…」

『わかんないじゃないでしょ。話はそれから』




そう言い捨てて、その場を去ろうと立ち上がった私。

春ちゃんはそんな私の腕を掴み、グイッと引っ張ったかと思えばそのまま私を抱きしめた。


懐かしい匂いが、ふわっと香った。

20→←18★



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蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 春ちゃんさいっこうじゃないですかあああ!!作者様天才すぎる!!! (11月27日 23時) (レス) @page39 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - 春ちゃん〜…あ〜もうすっごい好きです///愛してるってなんですか!?愛してるって!!え、カッコ良過ぎるんだけど!?竜ちゃん蘭ちゃんも素敵でした……///もうずっと読んでいたい╰(*´︶`*)╯♡ (9月4日 23時) (レス) @page39 id: 605bcc3c89 (このIDを非表示/違反報告)
NA - 春ちゃーーーーーん素敵すぎます!最後の''愛してる"カッコイイ☆夢主ちゃんもお幸せに♡ (2023年3月21日 10時) (レス) @page39 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - オールして読みました、ガチ尊い。叫びたいけど時間的に無理だ🥲🥲🥲🥲 (2022年12月25日 5時) (レス) @page39 id: 3e85deed6b (このIDを非表示/違反報告)
やほやほ〜 - 蘭ちゃん=優男 竜胆=ツンデレ神 春千夜=すれ違い彼氏でいい? (2022年9月3日 17時) (レス) @page27 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みや | 作成日時:2021年11月16日 19時

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