Affect134 ページ4
Aside
この男は、捕虜にする。
まず、黒トリガーを没収して解析する。ボーダーのトリガー技術の進歩にとって大事なことだ。そして、今回の大規模侵攻を起こした理由、戦力の出処、アフトクラトルという国家について、ツノの技術について……ボーダーにとって利益になるものを洗いざらい話してもらう。
それが全部終わったら、私の質問に答えてもらう。
この男が二年前には所属していた、奈那がいたネイバーの組織が生まれた理由、詳しい目的、奈那が活動していた様子、奈那と仲間割れを起こした原因。どうしてルプスが組織を抜けたのか、今もその組織は存在しているのか。全部、全部吐かせるのだ。
勝ちの先にあるのは、新たな情報だ。
「尋問?ゴーモンされたって何も答えねえよ」
「言っとけば」
「あーもうおいミラ!さっさとこいよ!」
ミラ……?
.
『ルプス、移動よ』
『ミラ。この盾使い放っとくのか?』
.
一瞬なんの単語かと思ったが、そうか、ミラとは確かあのワープ使いの人型ネイバーの名前だ。まずい、まさかこの男ワープで遠征艇に戻るつもりか?
「っさせるわけ……、!!」
私がルプスの方へ一歩踏み出したとき。目の前に、黒い穴が開く。
「邪魔よ」
「っ!」
ミラという人物に当たるのであろう女が、その穴の中から私に向かって、黒いトゲによる攻撃を仕掛けてきた。生身なので瞬時には避けられなかったが、何とか急所は避けてその場から下がる。
「ったく、遅かったな」
「あら、トリガーだけ回収して貴方をここに置いていってもいいのよ?」
「怒ってんじゃねーよ」
女の攻撃がかすった腕から血が流れたが、私は目の前の男に逃げられたくない一心で痛みも忘れていた。嫌だ、せっかく倒したのに、奈那の人生への手がかりなのに、こんなところで逃がすなんて、何も得られずに終わるなんて。
「はやく戻るわよ」
「へいへい」
「待て!!!!!!」
負傷した手を、またそいつらめがけて伸ばした。
グイン
けれど、その手は何も掴むことはできず、黒いゲートは姿を消した。悔しい、そんな思いが溢れるように、傷口からポタポタと血液が垂れている。ここへきても痛みが来ないのは、そういえば自分のサイドエフェクトのせいだったのかもしれない。
感じない痛みとは裏腹に、貧血を起こして体がグラリとふらついた。
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るえら(プロフ) - うわー!!!!別サイトから一気読みしてしまった、とても面白いです!!更新ゆっくり待ってます!!! (10月20日 14時) (レス) @page35 id: 63d223fd88 (このIDを非表示/違反報告)
honoka - 一気読みしちゃいました!!続き楽しみにしてます💗 (6月21日 22時) (レス) id: 944c15d446 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - しおむすびさん» こんにちは、コメントありがとうございます(;_;)長くなってきたにもかかわらず一気読みありがとうございます!更新止まっていてすみません;;原作の展開を見ながらゆっくり進めて参ります……! (2022年12月13日 12時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
しおむすび(プロフ) - 一気読みして最後まで読んでしまいました…!主人公の生き様にたくさん勇気が貰えます!!更新ゆっくりと待ってます︎☺︎ (2022年12月9日 0時) (レス) id: 2152d546a1 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - 紅羽さん» コメントありがとうございます!通知漏れしており気づくのが大変遅くなってしまってすみません(;_;)めちゃくちゃ嬉しいお言葉ありがとうございます!励みになります……!原作の展開など見ながらゆっくりです更新して参ります〜! (2022年12月4日 12時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜桜 | 作成日時:2021年1月3日 1時