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「希、起きれるか？
潤が朝ご飯作って待ってるぞ？」
「ん。おきる・・・。」
ちょっと目が覚めてきたのか、翔にだっこをせがむ希。
実は希と望は、智たちとは血がつながっていない。
３歳の時に親に育児放棄されていた双子を保健所が保護。
双子の５歳の誕生日の少し前に五十嵐家に養子としてやってきた。
五十嵐家に来て２年半ぐらい。
最近ようやく甘えてくれるようになった。
親子ほど年の離れた弟たちに、五十嵐５兄弟はそろってデレデレなのだ。
「ほら、希。」
翔は希を布団から抱き起し、簡単に健康チェック。
５兄弟のうち上２人は医者、雅紀は看護師。
必ず３人のうちの誰かが、双子の健康チェックを行う。
成長に一番大事な時期に育児放棄されていた双子。
２人とも、他の子に比べて成長が遅い。
特に心臓にハンデのある妹の望はちょっとした変化も見逃せない。
「んん〜・・・。」
「こらこら・・・。
大丈夫、熱測ってるだけだから。」
まだ寝起きのせいか、翔が熱を測ろうと耳に体温計を入れるのを拒否する希。
なんとか検温も終え、平熱。
貧血もないし、心音も異常なし。
そうこうしているうちに、完璧にお目覚めの希。
「ほら、希。
着替えてくるぞ。」
翔はそう言って、希を抱っこしたまま希の部屋に向かった。
「のぞみ〜。おはよう。
ちょっとごめんよぉ〜・・・。」
智はまだ布団で寝ている望に声を掛けながら聴診していく。
心音に異常は無し。
体温が若干高い気がするが、許容範囲内。
希が抱きついていたから、熱がこもっちゃったか・・・。
「・・・ぉぁよぉ〜、
さとにぃ・・・。」
「おはよう、望。
起きれそう？」
智が診察をしている間に、目を覚ました望。
やっぱり双子。
望も希同様、智にだっこを要求。
智もすぐに気づいて抱き起す。
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作者名：mio
| 作成日時：2018年2月4日 23時
