双黒が逆トリ・月煌様リクエスト ページ30
「……何処だ、ココ?」
中也さんが呆然と呟いた。それはこの場にいる私達全員の心の声を代弁していた。
「横浜では、ない……?」
『ビルが、ないですね。と云うか、完全に住宅街……』
住、宅、街?
ちょっ、ちょっと待て、此処……。
『………私の、街です』
「……え?」
『東京です、……私の、街です。私の、』
私の、世界だ。文豪ストレイドッグスじゃない、二次元でもない。
私が生きてきた、世界だ。
『……あれ?待てよ?』
私は太宰さんと中也さんを見る。イケメンだ。相変わらずだ。
…つ、ま、り?
『うわあああっ!ちょ、ヤバい、如何する!?取り敢えず太宰さん中也さん顔隠して!こっち来て下さい!』
,
「おい、此処何処なンだよ?」
私の家の、私の部屋にて。両親は出張中なのか、家にはいなかった。
『ええと…いや、まあ、取り敢えず、横浜じゃありません』
「いや判ってるわ!」
太宰さんがごそごそと自分のポケットを漁る。
「私の携帯、入水して壊れて修理に出しちゃったんだけど。中也と凪ちゃんは?」
『私、探偵社の机に置いて来ちゃいました……』
「俺は確か持って……あれ?ない?」
「あ、そう云えば私がスッてたんだっけ」
「手前!」
喧嘩しだそうとした中也さんを慌てて止めた。私の部屋が壊れる!
「あれ、でも私凪ちゃんに渡した筈だけど」
『あ』
「「……」」
『……それも探偵社の机に置いて来ちゃいましたあ!』
土下座した。
『え……えーと、取り敢えず腹ごしらえでもしましょうよ!それから考えましょ!』
世界が違うので腹ごしらえも何もないんだけど、取り敢えず時間を稼がなくては。
私は冷蔵庫の中を見る。両親が出張中の時は、大抵此処に何か__。
「凪ちゃん、メモに“どっか外食でもしてて!”ってあるけど」
『こういう時に限って!』
私が床に手を突くと、中也さんが遠慮がちに云った。
「あー…俺何か買いに行ッてやろうか?」
『中也さん…ありがとう御座います!』
「金ない癖に」
取り敢えず太宰さんを二人でボコボコにして、中也さんにお金とスーパーへのメモを渡す。
……後悔先に立たず。真逆それを身をもって実感する事になるとは、この時は思いもしなかった。
「へえ、此処が凪ちゃん家なのかあ」
『あんまりジロジロ見ないで下さいよ』
中也さんがいなくなった事が嬉しいのか、太宰さんは笑い乍ら云った。
222人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白夜の世界 - 2次元大好き野郎さん» コメントありがとう御座いますッ!最高でしたか!よかった!何かちょっとリクと違うかなって思ってたんですけど……嬉しいです! (2019年7月7日 20時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
2次元大好き野郎 - コメント遅れてしまってすいません!まじ最高です! (2019年7月7日 10時) (レス) id: 6de8be71fd (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - オンさん» 応援ありがとう御座います……!更新頑張ります!遅いけど!出来るだけ!遅いけど! (2019年7月6日 21時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ(プロフ) - 白夜の世界さん» はい!大丈夫です! (2019年7月6日 21時) (レス) id: b4cdd55349 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - わたあめさん» は、はい!難しそうですが、頑張ります!太宰さんと太宰さん(黒の時代)逢わせちゃってもいいですか? (2019年7月6日 21時) (レス) id: d483191461 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年4月7日 16時