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side 坂田
「…誰が好きなんや、ねぇ。
そんなの俺たち全員が気になっとる所なんやけどな」
廊下の方から聞こえる会話に密かに耳を澄まして僕は一人で逡巡する。
だって、だって、
この中で1番勝ち目がないのは僕だ。
センラは入社した時から先輩として教えて貰ってた。
うらたんなんかはもっと前で高校生の時からなんて
僕は?
ほんの少し前、たまたま遊んだ時に、初対面で他人の僕にも優しくしてくれたAさんは
僕が好きになるくらいなら、とっくにほかの人にも好かれているのだろう。
完璧やし、顔もええし、声だって
僕にも触れて
僕にも愛を囁いて、
汚い欲望がぐるぐるぐると体内を何回も回る。
センラもうらたんもしてもらったこと、僕にもして欲しい
特別なのか分からない
けれど、ただただ好きだと思ってしまうのは悪い事なのか
この話題はうらたんやセンラにはしないでおこうと思って僕は机の上のお酒を静かに眺めて醒めた酔いと眠気をどうにかしようとした。
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式綴(プロフ) - みつばさん» わ!嬉しいお言葉ありがとうございます! (2021年5月11日 20時) (レス) id: 963da7cf61 (このIDを非表示/違反報告)
みつば - コメント失礼します。すごく面白い作品ですね!ゆるふわ感が、もうすごいです。←語彙力 更新待ってますね! (2020年12月8日 23時) (レス) id: 3affe33d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:式繼 | 作成日時:2020年12月3日 7時