魔女裁判〈イナGO〉 (ページ20)

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裁判 15【ちょっと追加】ページ20

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2012年 12月 10日 02時 35分

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天馬「あれっ……。

目の錯覚かな？文字が……動いたような気が…。」

天馬はそう言い、また両手で両目を擦る。

神童「いや、天馬。俺にも、そう見えたぞ。」

神童教授は左手で本を持ち、右手で顎に指を添え、本を見つめて、そう言った。

茜「…………………。」

茜は二人のその様子をただ黙って見ていた。

天馬「あ!!こっちに、町の挿絵がありますね。
これがラビリンスシティ……ですか？」

天馬はページにある挿絵に気づき、茜に聞いた。

茜「はい……そうです。」

茜は天馬の質問にゆっくり頷いた。

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神童教授と天馬はラビリンスシティの挿絵をまじまじと見た。

挿絵の町の風景は、古くて今にも崩れてしまいそうな家と、時計塔が描かれていた。

神童「……これが……。」

天馬「ずいぶんと古い町並みですね、先生。」

神童「そうだな、天馬。俺も見たことのない町だ。」

神童教授はそう言い、頷いた。

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茜はソファーから立ち上がり、二人の座っているソファーに近づき、自分の町の説明をする。

茜「ここが、私の住んでいる町です。」

茜は挿絵を指差してそう言う。

神童「つまり、貴方を追ってきた魔女もここから来たんですね。」

茜「……はい。」

茜は小さく返事をした。

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神童教授は本を読み終えると、茜に本を返した。

勿論、本の内容を全部読んだわけではない。

同時に、茜はさっき座っていたソファーに座った。

神童教授は茜がソファーに座ったことを確認すると、口を開いた。

神童「……山菜さん、この本はいったい何なのでしょうか？

よほど大事なものであるようですが……。」

茜「………………。」

茜は黙り、少しの沈黙の後、口を開いた。

茜「これは『ラビリンシア』……。

さっきも言いましたが……この本には、
町の"すべて"が書かれています。

すべての……物語が。」

天馬「町の……『物語』？」

天馬はそう言うと、顎を指で触れた。

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