【妖怪ウォッチ】黒狐は九尾の狐をおちょくるのがお好き。2

八十三の巻 わっちと問いかけ ページ46

犬神「そんな、まさか、どうして…、だってあの時貴女は…」



「い、犬神？大丈夫でありんすか…？」



頭を垂れてブツブツと何かを呟く犬神に近づけば、シャラリと音を立てるわっちの簪が犬神の視界に入った。


犬神「！…ああ、そういう事か…」



ーーーーーガシッ！！



「！犬神！？何を…！」



犬神「…やはり原因はコレですか。」



いつの間にか犬神の手には、わっちの白い花飾りの簪が握られていた。


「！それは、わっちの大切な簪じゃ！！返してくんなんし！！！」



犬神「……古い術式ではありますが、随分と厄介な呪いがかかってますね。まさか、かけた本人ですら解除する事は出来ないようにするなんて…」


「なに訳の分からぬことを言ってるのでありんすか！いいから早く！早くそれを返しておくんなんし！！」


犬神「……そんなにこの簪が大切ですか？」


「当たり前じゃ！それはわっちの大事な人から譲り受けた、とても大切な『誰に貰ったのかは覚えてますか？』……え…？」


犬神「冷静な貴女がそこまで取り乱す程、これは大切な物なんでしょう？なら、誰から貰ったのか教えて下さいよ。」


「は？誰も何も、それを譲って貰ったのはわっちの……」



ーーーーーーーードクンッ、


「……あれ？」






わっちの……誰であった？

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