【探偵チームKZ事件ノート】孤独な探偵は知っている

聞き込み　ｂｙ若武 ページ30

〜若武ｓｉｄｅ〜


美「ここだね、『マリアージュ』」


俺たちは今、『マリアージュ』に着いた


俺が先に店に入り、美門がついてくる


本当は美門なんかとやりたくない


美門は俺の宿敵だからな


一緒にやったらどんな美門のいたずらがくるかわかんねえ


怖ぇよ


そんなことを思いながら受付に顔を出す


若「すみません、黒木の知り合いなんですが。」


そういうと受付の人はニコッと笑って言った


受付「あ、黒木さんのご友人ですね。あちらに部屋を用意させてもらっております。社長はそろそろ来ると思いますので、どうぞ部屋でおかけください。」


社長に直談判か


黒木ってなんかやっぱすげ


謎めいていて、なんでも知ってて、イラッと来るけどカッコよくて


自分でも認めたくないけど、黒木が羨ましいなって思うことがある


若「ありがとうございます。」


受付とお別れし、部屋に入る


美「なんだって？」


若「社長と直談判できるらしいぜ。」


美「やっぱり黒木ってすげぇな。」


美門も同じこと思うのな


？「失礼しますわよ。」


部屋で待っていると、50代くらいの女性がやってきた


？「私はここで社長を勤めさせていただいております、安元百合子と申します。」


安元社長は俺たちに名刺を渡してきた


服とか、アクセサリーとか、いかにも社長って感じだな


安「で、盗難事件について聞きたいんですってね。」


若「ええ、黒木から話を聞いていると思うのですが。」


安「黒木さんからは聞いているわよ。黒木さんは信頼できる方ですからね、情報をお教えいたしますよ。」


黒木って信頼もされるよな


・・・なんかずるい


俺は！？って気持ちになるんだよ


落ち着け、俺


今は社長の前だぞ


若「では、情報提供をお願いいたします。」


安元社長は少し目を伏せて話を始めた


安「情報って言っていいのかしら。そんなにいいものじゃないわよ。」


俺はうなずく


どんな些細なことでもいいから、情報がほしかった


安「わたし達の情報はほぼメディアに公表しているのよ。ただひとつ、メディアに公表していない情報は、」


公表していない情報は！？


安「そのとき、目撃した従業員がいたのよ。」


マジかっ！


安「警察にいろいろ聞かれるのは嫌だからって、言わなかったのよ。」


美「では、ぜひその目撃者に会わせていただきたいのですが。」


若「もちろん、ほかには漏らしません。」


安「しかたないわ。ちょっと呼んでくるわね。」

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