可愛い顔した虎被り野郎【あんスタ】 (ページ3)

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UNDEAD ページ3

「はぁ～い？

わ、零くん！わざわざ来てくれたの？
あっ、入って入って！」

コルク色の髪が揺れる。
その愛らしい顔は誰もが惚れるほど可憐に微笑まれているが、ライラック色の瞳はこれでもかという程軽蔑の感情を浮かべている。

器用な奴よのう。

招き入れられた部屋。しっかりと閉じられた扉に鍵をかける程、目の前の男はド三流の猫被りはしていない。

「ライブ来てたなんて知らなかったよー！
なんで教えてくれなかったのさっ！
というかどこにいたの？僕全然気づかなかった…」

そりゃ分からんじゃろ。
お前はファンに微塵も興味がないからな。
どこに誰がいようが、ステージに立つアイドル…彼を見ないバカはいないと。こいつは知っている。

覚える必要も、無駄に媚びる必要も無い。
人は彼に集まるのだからな。

「ふふん、分からんじゃろ？
ライブの暗さを利用して、真っ黒い服を着てきたからの」

「えーっ！なんでわざわざ隠れるの！
見つけたらファンサしたのに！」

「ほんとかのぅ？」

「ほんとだよっ！もう」

嘘に決まってんだろなんてそんなに訴えて来なくとも分かっとるわい。
本当に食えんやつじゃな…。

「それで、零くん一人で来たの？
というかどこで知ったの？
僕、恥ずかしくて言えなかったのに」

「なに、薫くんに聞いたんじゃよ。
デートでもなかろうに、珍しく＂用事がある＂と言ったもんでのう」

「ふぅん、そうなんだ」

ありゃ、どうやら聞き出したことがバレた様じゃな。
いやぁ参った参った。