Dendrobium ページ13
ザワザワと騒がしいったらありゃしない。
ほんっと、これだから好きじゃないんだよねー、教室の外って。
群がるだけのアリみたいな奴らがたーくさん。
はぁ〜やだやだ、こんなとこさっさと退散したい。
「あっ！はーちゃんせんぱーい！」
「うぐっ！？」
このっ…！誰だ俺を後ろから抱きしめたやつ！！
この学院はでかいヤツらが多い分、俺みたいな可愛い感じのコンパクトな奴らは潰されかねない。
しかも、はーちゃん先輩 とか呼ぶ奴は1人しかいない。
「もぉ〜！痛いよスバルくん！」
「あっはは！ごめんごめん」
「ほんっとに〜！何回も言ってるでしょ！
次やったら目ェ潰すぞガキ」
「ひゃ〜、怖い怖い☆」
うっっざなんだこのオレンジ髪。
明星スバル。Trickster？とかいうユニットのメンバーの1人で、最近やたらとこそこそしてる1人。
まっ、俺にはカンケーないし、大方今の制度に不満があるんだろうけど。
俺はそんなもんない。
だって、元々この学院の制度なんて必要ないぐらいもはや 社会 で活躍してもんね。
「はーちゃん先輩なんでここに居るの？
好きじゃないよね？こーいうとこ」
「そうだね。だから帰るとこだよっ！」
だから早く離しやがれ。髪の毛引っこ抜くぞ。
それでもスバルはニコニコと笑いながら俺を抱きしめる。
おい、俺は男に抱きつかれる趣味はねーんだよ。
「はーちゃん先輩、絶対俺、やるよ」
どいつもこいつも、どうしてこうも血気盛んなんだか。というより、何故そこまで納得出来ない？
俺は、今のこのお前らがのんびりと暮らしてることの方が理解できないけどな。
「ね。だからさ、その時は一緒に立とうよ」
「あはっ、そうだね！
口だけはでかいひよっこだな？クソガキ。
って、言われないよう頑張ってね！」
夢ならいくらでも持てるんだよ。
精々潰れないよう頑張るんだな。
…まっ、夢を見る時点で、俺と並ぶことはねーけど。
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作者名：右脳54% | 作成日時：2019年6月25日 21時
