バスケとケンカと、はじまる恋と。【青峰大輝】

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黄瀬side






どれぐらい時間が経っただろう。
突然、藍澤がビクッと動く。




…あ、気がついたかな？









そのままムクリ、と起き上がる。









なんとなく気恥ずかしくて、
文句の１つでも言ってやろうか、と藍澤の顔を見た時、






藍澤の異変に気付く。


「＿＿＿＿＿＿＿＿っは、さ…、っ…き………？」









え？









どうやら呼吸が上手くできないらしく、背中を丸めたまま喉を押さえて「ヒュー、っヒュー」と不規則に空気を吸っている。



目を見開いて、とても苦しそうで、









「……………ぅあ"、ああっ…！ふ…」


ジャージの袖を噛んで嗚咽をこらえるその姿は、
なんだか見てられなくて、









「…大丈夫っスか？」









…声をかけてしまった。









「…っ！！！…だれ？」


「…黄瀬、…黄瀬涼太っス」


「…っぁなんだ……黄瀬さんか…」







なんだってなんスか、と藍澤を見れば、
オレの手を凝視しているソイツ。









＿＿＿＿＿＿＿＿え？なに？









「…………それ、その、血…どうし…」


「え？血？…あ、」









そういえば藍澤のそれが付いたまんまだった。







「これは、」


「おれ、」


「…え？」









.









「…おれ、お、おれのせい…？」


「…は？や、ちょっと待って、」


「…おれが、ぅあ、あ"あ"、っおれ、おれのせいで黄瀬さんが…っ！…っは！はあ、ぅぁあ"！！っふ！っは！っゲホッゴホッ！」


「ちょっと！？大丈夫っスか！！？」


「っごめん、…ふっ！ゴホッ…ぅああ"あ"っ！っごめんね、ごめんなさいっ！…ヒュー！っは！」


突然過呼吸になった藍澤にびっくりする。









血が出そうなほど手を握り締めて、





蚊の鳴くような声で、




ごめん、ごめんと連呼する藍澤を見ているのが、




なんだか辛くって、







オレは、









「…あ、いざわ、」


「っごめ…なさっ！ぁあ"ぁああ！っふは、ひゅっ」


「あ、藍澤、藍澤、ちゃんとオレを見て、」


「…おねが、っゆる、して…っ！っゲホッ」


「藍澤！だからちゃんと聞いて、」


「ごめんなさいっ…っはごめんなさい…ぁごめんなさい…ごめんなさいごめんなさい許して…っ！！」









.









オレは、




「……っA！！！！！」









.









.









気付けばオレは、




藍澤Aのことを抱き締めていた。

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