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第101話 ページ5

喜八郎side

Aさんが怪我をした。それもかなり重体らしい。命に関わるものだったと聞いた。

その話を聞いた時は頭が真っ白になった。
なんで?どうして?どうして狙われなきゃいけなかった?
どうして頼ってくれなかった?

色んな感情が込み上げてきて、心臓が握り潰されそうな程に苦しかった。

そんな僕を察してか、それとも心配過ぎて個性を出す暇もないのか、滝夜叉丸や三木ヱ門の自慢話は来ず、タカ丸さんの髪結い攻撃や、守一郎の大笑いが聞こえてこなかった。

僕も不思議と大好きな穴掘りをしたいと思えなかった。
不安解消になるだろうかと掘ってみようとしたが、思うように綺麗に形が作れない。
上に上がった時、『また落とし穴掘ってるの?今日はどんな落とし穴にするの?』と聞いて手ぬぐいを渡してくれるのに、それがない。

心がズキズキと傷んでいくばかりで、虚しいものだった。

学園を歩けば、どこかみんな沈んでいて、個性が強い四年生の他にも、五年生、六年生、更には下級生達も、いつもなら騒ぐ声がここまで聞こえてくるのに、今日は静かだった。
あぁ、僕達は彼女がいなければ何も出来ないのだ。と実感した。
彼女を傷つけた犯人を見つけるために、上級生が招集され、先生方と共に犯人捜索を手伝っていた。

そんな中で、彼女が起きたことを聞かされた。
みんなして医務室に駆け込み、Aさんの元に今か今かと待ち望んでいた。

そして、彼女の顔を見た時、どこか違和感を覚えた。
何となくAさんが思い詰めているのはわかっていた。
どこか距離を取っているような、壁を作っているような、そんな気がした。

下級生はそんなことは気がついていないようでAさん、Aさんと話しかけていた。
どうやら他先輩方もAさんの異変には気がついたようで、五年生は二年生、三年生をさりげなく慰めるように見せて彼女の負担にならないように距離を置かせていた。

成績優秀で頭脳明晰な人物が揃う五年生の先輩方。
誰も傷つけることなく、Aさんの負担にもならない選択肢を作ったのだ。

六年生は、Aさんの具合を知る為にわざといつも通りのやり取りを見せた。
周りには分からないけれど、口の動きで何となくわかった。
声と口の動きがあっていない。声はいつものやり取りだが、口は情報交換をしているようだ。

誰も気が付かない自然な情報交換。さすが最高学年と言ったところだろうか。

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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しのぶ - 夢主ちゃんが凄くかっこよくて好きです!更新を頑張ってください! (2022年12月30日 13時) (レス) @page11 id: 0ed4fa3946 (このIDを非表示/違反報告)
ホットパイ - こんにちは!! お話の内容が面白くて分かりやすいです!! 夢主ちゃん場所変わって欲しい!! これからも無理のない範囲で頑張ってください (2022年10月19日 19時) (レス) id: 1514e3e318 (このIDを非表示/違反報告)
- すみませんが、またお願いしていいでしょうか…?😣💧🙏今度は「予算会議見学編」とか、「忍術学園の文化祭編」っというリクエスト (2022年10月16日 19時) (レス) @page2 id: 4f4447b9aa (このIDを非表示/違反報告)
- 六年生の生徒達が助けに来てくれてよかったです!!心からホッとしました!!😂✨喜八郎君の猫っぽい面、可愛いかった…/////(~_~;)良い👍 (2022年10月9日 22時) (レス) @page11 id: 9f4c54b48a (このIDを非表示/違反報告)
- 喜八郎君は夢主さんを守ることができるのかが心配です…😥でも、夢主さんが言ってる台詞と本音はよく分かります。「私と同じだ…🥲」っと思って😌 (2022年10月1日 19時) (レス) id: 73961df6ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Spring | 作成日時:2022年9月25日 1時

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