空色ふうふ【そらる】 (ページ4)

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＊プロポーズページ4

「ねぇ、A。俺と結婚してくれませんか」

恥ずかしそうにはにかむ彼が私に指輪を見せた。

「…ほんと？」

「ほんと」

で、返事は？と急かす彼。

「勿論、よろしくお願いします」

するっと彼の指が私の手を取り、少しぎこちない手つきで指輪をはめてくれた。

「ずっと愛し続けるよ、約束する」

「私だって」

ついムキになって言い返すと

「なんで俺がプロポーズしてんのに言い返してくんの」

ぎゅ、と抱きしめられる。彼の香りが鼻腔をくすぐった。

彼の耳が赤く染まっていて。

「照れてる…照れないと思ってた」

「俺をなんだと思ってんの」

「私の旦那様になる人…？」

んぐ、と彼が声を詰まらせた。

もう、と手を顔に当てている。

指の隙間から見える頬が少し赤い。

「顔赤い、ふふ」

「うるさい」

ぎゅ、と彼が自分の顔を覆っていた手を離し、私の腰に回した。

「いつ出しに行こっか」

「そらるが暇な日」

「いい加減名前で呼んでくれてもいいんだけど」

う…と今度は私が声を詰まらせた。
いや、ずっとそらるだったからさ、？と苦し紛れに言っても意味がなかった。

「俺の名前は？」

「そらる」

「本名、は？」

「……彼方…」

よく出来ました、と彼が笑う。

「ご褒美」

ちゅ、と軽く触れる唇。
そこから熱が顔全体に広がった。

「いい加減慣れたら…？」

ふふ、と彼が笑って、また唇を軽く合わせてくる。

「ほんと、同い歳とは思えない、可愛い」

「それ結構悲しい」

「若く見えるってことで褒めてるんだよ(笑)」

ぐぬぬ、と唸ると彼がまた私にキスを落とした。

・

「よろしくね、奥さん」

「こちらこそ、旦那さん」

ある晴れた空の日。私と彼は婚姻届を提出して、晴れて夫婦となった。